ヨーロッパリーグで11戦10発!オリヴィエ・ジルーの最後の舞台は古巣と戦うELファイナル!?

多くのグーナーが、今でも彼を愛しているのではないでしょうか。オリヴィエ・ジルー、32歳。明るくまっすぐなキャラでエミレーツを盛り上げたストライカーは、イケメンゆえにタブロイド紙のネタになることも多く、2014年2月にはアメリカ人モデルのセリア・ケイさんとの不倫が報じられました。「許してもらわなければ」としょげていたジルーの人気は衰えず、2015年2月にはブックメーカー「バディ・パワー」の調査で「プレミアリーグで最もセクシーなプレーヤー」に選ばれています。

男女問わずファンが多かったのは、献身的なプレイやエキサイティングなゴールシーンが印象に残ったからでもあるでしょう。2017年1月のクリスタル・パレス戦で、アレクシス・サンチェスのクロスを左足のヒールに当てるスコーピオンで決めたジルーは、その年の10月に開催された「ザ・ベスト・FIFAフットボールアウォーズ2017」で、最も素晴らしいゴールに贈られるFIFAプスカシュ賞に輝いています。アクロバティックなゴールを積み上げる一方で、イージーなチャンスでダフッてしまうあたりも、サポーターの心を惹きつける理由のひとつだったのではないでしょうか。ひとことでいえば「憎めない末っ子キャラ」。チェルシー移籍は「同僚やサポーターに惜しまれつつ」という表現がぴったりでした。

2012年の夏にモンペリエからアーセナルに移籍したフランス代表ストライカーは、ティエリ・アンリに「アーセナルにはシーズン20発を決められる選手が必要」などとプレッシャーをかけられながらも、5シーズン連続でプレミアリーグ10ゴール以上という最低限の結果を残しています。ノースロンドンにおける最後のステージとなった2017-18シーズンは、ラカゼットの入団でサブにまわり、先発1試合と出場機会が激減。プレミアリーグ15試合4ゴールと思うように結果が出せなくなり、2018年1月に活躍の場を求めてチェルシーに移籍しました。

新しいクラブにはモラタがおり、やはりジルーは控えのストライカー。スペイン人のエースがスランプに陥り、アトレティコ・マドリードにレンタルされると、チェルシーはゴンサロ・イグアインを獲得して最前線に据えました。後半からの出場が多いジルーは、入団以来の1年半でプレミアリーグ37試合5ゴールと満足な数字を残せていません。ベテランと呼ばれるようになったストライカーに、ついに衰えが感じられるようになったかといえば、さにあらず。このたびジルーを取り上げたのは、ヨーロッパリーグにおける活躍ぶりがあまりにも眩しかったからです。

ELで準決勝進出を果たしたチェルシーは、11勝1分という素晴らしい戦績を残しており、プレミアリーグ勢の欧州大会におけるシーズン最多勝利記録を更新。ジルーはこちらでは12試合中10試合に先発するエースストライカーで、11試合10ゴール3アシストという出色の数字を叩き出しています。「Goal.com」は、「ヨーロッパリーグのクリスティアーノ・ロナウド」という微妙なネーミングでリスペクト。フィニッシュだけでなく、プレミアリーグ屈指のクオリティを誇るポストプレーも冴えまくっています。ディナモ・キエフ戦のハットトリックは、いかにも彼らしいハーフボレー2発と文句なしのヘディングシュートでした。

欧州の舞台でゴールセンスを証明し続けているジルーですが、プレミアリーグで思うようにプレイできないのが不満で、夏の契約満了時にどんな決断を下すかを考えているようです。チェルシーの公式サイトと「ガーディアン」が最新のコメントを紹介しておりますが、来季も同じ立場を求められれば、ジルーはプレミアリーグを去ることになるかもしれません。

「ここにいられるのはうれしいけど、2番手というポジションには満足していない。ワールドカップで優勝したけど、まだ引退はしたくない。困難な状況に陥ったら不満を抱くものだけど、ピッチではそれをポジティブなエネルギーに変えなければならない。来季はチームのなかでさらに重要な役割を果たさなければ」「他のクラブからいくつかのオファーがあった。詳しくはいえないけどね。今はチェルシーを優先すべきだ。ある程度は成果を出しているから、もう1年チャンスをもらえる可能性は高いけど、次のシーズンはもっとハッピーになれたらいいね」

ヨーロッパリーグは最大3試合、プレミアリーグは4試合。記憶に残るストライカーのプレイを、最後まで追いかけたいと思います。イングランドにおける最後の舞台が、ELファイナルのアーセナル戦だったら…。両チームのサポーターが、同じ気持ちで彼を見つめるのではないでしょうか。「決めてくれ、ジルー!」と。


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マンチェスター敗退、ロンドン躍動…欧州を席巻するプレミアリーグ勢を徹底チェック!

マンチェスター勢が散ったチャンピオンズリーグは、リヴァプールとトッテナムが4強進出。ヨーロッパリーグのアーセナルは強敵ナポリに完勝し、チェルシーは与しやすかったスラヴィア・プラハに順当勝ちで、いずれもCL出場権を賭けた戦いが続きます。2018-19シーズンの欧州は、プレミアリーグ勢が席巻するステージとなりました。それぞれの戦いぶりを振り返りつつ、セミファイナルを展望してみたいと思います。

国内最強のマンチェスター・シティは、2年連続でプレミアリーグ対決に敗れてベスト8止まりとなりました。国内では史上最強王者となった昨シーズンは、アンフィールドでオンターゲットゼロの3-0と完敗し、シティ・オブ・マンチェスターのセカンドレグでは2分に先制しながらも1-2の逆転負け。相手を怖れ、細心の注意を払って戦ったクロップ監督に対して、真っ向勝負で押しつぶそうとしたペップが速攻に屈した2試合でした。

今季のトッテナム戦も、CLに賭ける本気度の差が明暗を分けたのではないでしょうか。2度のVAR判定が話題になったセカンドレグの死闘がクローズアップされていますが、勝負のポイントはトッテナム・ホットスパー・スタジアムで開催されたファーストレグだったと思います。冴えなかったダヴィド・シルヴァを89分まで引っ張り、調子が上がっていたデブライネに数分しかプレイさせなかった采配が、1-0敗戦の一因となりました。アグエロのPK失敗が激痛だったのは確かですが、プレミアリーグで不振だったチームの底力を過小評価したようなターンオーバーが、セカンドレグの戦い方を難しくしてしまったように感じられます。

マンチェスター・ユナイテッドは、バルセロナに0-1、3-0で完敗。カンプ・ノウで2度めの奇跡を狙ったスールシャール監督は、なぜパリで成功したルカクとラシュフォードの2トップを採用しなかったのでしょうか。スアレスにやられたオールド・トラフォードのファーストレグでは、2人を前線に配してシュート数で上回っており、攻撃陣を大きく変えた理由がわかりませんでした。メッシをあれだけ自由にしては勝ち目はなく、必然の敗退だったと思いますが、選手起用や戦術から「何としても勝つ」という指揮官の意志が感じられなかったのが残念でした。

スパーズのポチェッテーノ監督をリスペクトしたいのは、アウェイゴールルールでリードしていたセカンドレグの41分に、負傷したシソコの代役としてジョレンテを選んだことでした。ハリー・ケインに加えてエリック・ダイアー、ハリー・ウインクスらを欠いたチームは、同じポジションに18歳のオリヴァー・スキップしかいなかったのですが、フォイスかダヴィンソン・サンチェスで守りを強固にするというチョイスはありました。最終ラインの前を埋めるよりも、最前線でボールが収まる機能のほうを重視したのでしょう。ストライカーは期待に応えて劣勢の後半に攻撃を支え、73分のセットピースで腰で押し込む殊勲のゴールを決めました。

リヴァプールは、昨季のラウンド16のアウェイゲームで0-5と圧勝したポルトを問題にせず、2-0、1-4のダブルを達成。モー・サラーは完全に復調し、マネとフィルミーノも好調をキープしています。ヨーロッパリーグの2チームは、いずれも連勝で4強入り。優勝候補と目されていたナポリと激突したアーセナルはインシーニェとミリクを完封し、スラヴィア・プラハにアウェイで勝ったチェルシーは、スタンフォード・ブリッジのセカンドレグで30分までに4発叩き込んで勝負を決めました。

さあ、いよいよセミファイナルです。CLはトッテナムVSアヤックス、バルセロナVSリヴァプール。「ビッグロンドンダービーinバクー」の実現が期待されるELはアーセナルVSバレンシア、フランクフルトVSチェルシーです。最もファイナルに近いのはチェルシーでしょう。今季のプレミアリーグ勢はバイエルン、ドルトムント、シャルケ04に快勝しており、CL出場権を本気で獲りに行くブルーズも長谷部誠のチームを問題にしないのではないかと思われます。

レアル・マドリードとユーヴェをアウェイで倒したアヤックスは勢いがあり、スパーズは新スタジアムの初戦で勝ち切ることが決勝進出の必須条件。マンチェスター・ユナイテッドとバルセロナの2試合を見る限りでは、レッズに勝機はあると思いますが、メッシを抑えられるかどうかが勝負の分かれ目となりそうです。アーセナルは、またもやっかいな相手と戦うことになりました。2月以降の公式戦で1回しか負けていないバレンシアは、ラ・リーガのバルサ戦をドローに持ち込み、アウェイで弱いレアル・マドリードに2-1で競り勝っています。アーセナルスタジアムで戦うファーストレグでアウェイゴールと勝ち点を許せば、敵地で堅守を崩すのはより難しくなるでしょう。

プレミアリーグ勢のファイナル独占を願っておりますが、4試合すべてにベットするならアヤックス、リヴァプール、バレンシア、チェルシーです。クロップの悲願VSポチェッティーノの集大成、エメリとサッリのCL出場権争奪戦といったファイナルステージを期待しながら、720分の激闘を存分に楽しみたいと思います。相方のグーナーは、バクーの決勝戦観戦を検討している気配を漂わせておりますが、果たして…!


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青のゴールラッシュ、プラハの反撃。撃ち合いを制したチェルシーがEL準決勝へ!

同じ4-3でも、プレミアリーグ対決となったマン・シティとスパーズの激闘とはだいぶ趣が違います。最初の30分で4発を叩き込んだチェルシーが、緩んだ後半に1点差に迫られながらもスラヴィア・プラハを下してELベスト4進出を決めました。サッリ監督のスタメンに、ジョルジーニョの名前がありません。GKケパ、最終ラインはアスピリクエタ、クリステンセン、ダヴィド・ルイス、エメルソン。中盤はコヴァチッチ、カンテ、ロス・バークリー、3トップはアザール、ジルー、ペドロ。スタンフォード・ブリッジの声援を背中に受けたブルーズは、5分にあっさり先制しました。

右サイドにいたペドロが、アスピリクエタとのワンツーでボックスのコーナーに進出すると、ジルーとのワンツーも決めてGKコラーシュと1対1になります。余裕のチップキックがゴールに転がり、1-0。アウェイのファーストレグを0-1で勝っているチェルシーは、トータルのリードを2点に広げました。9分、アザールのパスでラインの裏を突いたジルーがボックス手前まで進み、10番にリターン。左サイドからのグラウンダーがファーに届くと、ペドロのボレーはポストに当たってCBデリの頭にヒットし、ネットに突き刺さりました。

10分もしないうちに2点リードしたホームチームは、17分に追加点をゲットします。カンテの素晴らしいスルーパスでペドロがコラーシュと1対1。前回のチャンスでボレーをポストにぶつけたアタッカーは、よくばらずにフリーのジルーにフィニッシュを譲りました。アーセナルから来たストライカーが、GKのいないゴールに流し込んで3-0。プレミアリーグで2ゴールに留まっているジルーは、ヨーロッパリーグでは10戦10発の大爆発です。

圧勝ムードだったチェルシーは、20分を過ぎるとプラハの逆襲を喰らいます。25分のFKはデリのヘッドをケパが足で止めるビッグセーブでしのぎましすが、直後のCKをフリーのソウチェクにヘッドで叩き込まれました。しかし27分、アザールが中に斬り込んで外から上がったエメルソンを使うと、CBの間を抜けてきたジルーが左足ボレー。コラーシュが弾いたボールをペドロが泥臭く押し込み、2試合トータルのチェルシーのアドバンテージは再び4点となりました。

中盤のチェックが甘いプラハは、カンテやアザールを自由にさせ過ぎです。33分、カンテの浮き球で前線に飛び出したロス・バークリーはCBに挟まれてシュートを打てず。プラハのセットピースに対して、リュディガーのいない最終ラインはマークが緩く、41分に中に入ってきたボールもデリがあと1歩でした。最初の45分は4-1。セカンドハーフに入ると、チェルシーはFKやCKで脅かされる機会が増え、プラハが自分たちのサッカーを取り戻しました。

51分、ゴール手前やや右でパスをもらったシェフチクが左足を振り抜くと、ケパの左手の下に沈んだボールがニアに突き刺さって4-2。さらに54分には、シェフチェクが今度は右足でクロスにミドルシュートを放ち、ケパのグローブの先を抜けて左のサイドネットを揺らします。4-3、あっという間に1点差。アウェイチームがさらに2点を積んで4-5となったら事件です。65分にアザールが下がり、ウィリアン登場。キックオフ直後に足を痛めたエースに、無理をさせないほうがいいでしょう。

押される時間が続くチェルシー。サッリ監督は、70分にロス・バークリーを下げてジョルジーニョを投入しました。次の失点を許してはいけない状況ですが、チェルシー守備陣は中央に入ってくる縦パスを徹底してつぶしており、危険なシュートを打たれる気配はありません。87分、ペドロに代わってカラム・ハドソン=オドイ。うまく時間を遣ったチェルシーが、2試合トータル5-3で準決勝進出を決めました。

シュート数は9対11でスラヴィア・プラハのほうが多かったものの、4-3となってからの35分はこれといったピンチもなく、実力上位の順当勝ちといっていいゲームでした。前半のゴールラッシュで一気に勝負を決めたチェルシーは素晴らしかったのですが、セヴィージャを倒して意気揚々と乗り込んできたチェコのクラブの健闘も清々しく、ヨーロッパリーグの8強にはこういうチームがいくつか上がってきてほしいとあらためて思いました。チェルシーの準決勝の相手は、アイントラハト・フランクフルト。年明けからフル出場を続ける長谷部誠が、スタンフォード・ブリッジでプレイする姿が見られるのが楽しみです。

アーセナルと戦う「ビッグロンドンダービーinバクー」は実現するのでしょうか。マンチェスター・ユナイテッドがプレミアリーグ3位、チェルシーが4位で、5位と6位のトッテナムとアーセナルが欧州を制覇すればCL出場権を失うのはチェルシーになります。ロンドン勢が欧州で躍進し、「プレミアリーグで4位に入ればCL出場権が得られる」とはいえなくなってきました。それぞれのクラブのサポーターは、もうしばらく眠れない夜が続きそうです。


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ラカゼットの美しいFK、コシールニーの完璧な守備…アーセナルがナポリに連勝で4強進出!

アーセナルスタジアムで行われたファーストレグは、ラムジーとルーカス・トレイラの活躍で2-0。プレミアリーグで熾烈なTOP4争いを繰り広げるガナーズは、ヨーロッパリーグ制覇という結果を残せばCL出場権を確保できます。とにかくアウェイが苦手なクラブですが、優勝候補と目されているナポリを抑えてベスト4に進出できるでしょうか。エメリ監督のスタメンからは、攻めて勝とうという意志が伝わってきます。GKチェフ、3バックはパパスタソプーロス、コシールニー、モンレアル。WBにメートランド=ナイルズとコラシナツ、中盤センターにルーカス・トレイラとジャカ、ラムジーの前にオーバメヤンとラカゼットという3-4-1-2です。

両者とも、先にゴールがほしいと主張するような立ち上がりです。アーセナルの最初のチャンスは6分。左から上がったコラシナツがグラウンダーを入れると、中央でボールをもらったラムジーは打てず。9分にオーバメヤンがボックス左を突破したシーンも、ゴール前に人数を配するナポリの壁に遮られました。17分、CKをカットしたクリバリが自らカウンターを開始。ファビアンからのリターンを受けたCBが右のカジェホンにラストパスを通すと、チェフと1対1だったアタッカーはシュートを足で止められてしまいました。

24分、ミリクのパスで裏に抜けたインシーニェが左足のチップキックでゴールを陥れるも、ジャッジはオフサイド。28分にジエリンスキがゴール前に浮かし、フリーのミリクがヘディングで左隅を狙いますが、うまく枠に収められません。32分、左足の腿裏を押さえて倒れ込んだのはアーロン・ラムジー。エメリ監督は、早い時間にムヒタリアンの投入を強いられました。36分、アウェイチームがボックス手前からのFKをゲット。右足でドライブをかけたラカゼットの美しいキックに、GKメレトは1歩も動けず、右隅に吸い込まれるボールを見送るのみでした。

これでナポリは、勝ち抜けまで4点が必要となりました。前半は0-1。アンチェロッティ監督は、ハーフタイムにマクシモヴィッチを諦め、メルテンスを起用します。後半が始まり、先に決定機を創ったのはアーセナル。47分にラカゼットが縦パスでミキを走らせ、右からの折り返しが中央でノーマークのオーバメヤンに届きますが、あまりに正直すぎるボレーはメレトに弾き出されてしまいました。プレミアリーグ18ゴールのストライカーは、ビッグチャンスを逃した数がリーグNo.1という不名誉な数字も記録しています。

クロスを跳ね返され続けるナポリ。ガナーズの的確なラインコントロールに、インシーニェはオフサイドを積み上げることしかできず、61分にユネスと交代しました。エメリ監督の2枚めは、ジャカをエルネニー。63分のCKは、プレミアリーグ経験があるキリケシュのヘッドが左に逸れていきます。65分、左からのボールをボックス内で受けたのはミリク。振り向きざまに放った左足のシュートは、コシールニーが足に当てて外に逃がしました。エメリ監督の最後のカードは、ラカゼットに代わってイオビ。73分、ピッチに入ったばかりのマリオ・ルイが中央にグラウンダーを通し、飛び込んだミリクがようやく決めるかと思いきや、ボレーを打ち損ねて同点のチャンスを逃しました。

モンレアルのクリアが、寝返ったかのような強烈なボレーとなってチェフを襲ったのは80分。ベテラン守護神は冷静にキャッチし、クリーンシートを継続します。エメリ監督が必死に指示を送っているのは、何としてもアウェイ勝利を持ち帰りたいからでしょう。敵地でひるまなくなるための手っ取り早い処方箋は、勝利によって積み上がる自信です。91分、左サイドからのミキのFKはクロスバー越え。アーセナルが2試合ともナポリを完封し、2年連続のベスト4進出を達成しました。

アウェイ勝利を手繰り寄せたチームのMVPは、コシールニーでしょう。ラインコントロールはパーフェクト。インシーニェのポジションを常に把握してオフサイドを誘い、シュートコースを狭める守備でナポリのフィニッシュを枠に入れさせませんでした。プレミアリーグのワトフォード戦に続き、敵地で勝利を得たという事実は、国内と欧州で4つ残しているアウェイゲームを勝ち抜くうえで大きな手応えとなったのではないでしょうか。ラカゼットの美しいFK、チェフの冷静な守備、いかにもミキらしい直線的なチャンスメイク…いやー、ナイスゲームでした。セミファイナルも楽しみです!


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劇的ゴールはVARでオフサイド…指揮官の采配が当たったスパーズがクラブ史上初のCL4強!

トッテナム・ホットスパー・スタジアムで開催されたファーストレグは、1-0でスパーズ。シティ・オブ・マンチェスターで迎え撃つ昨季プレミアリーグ王者は、90分で勝ち抜けを決めたければ2ゴールが必要です。ペップのスタメンは、クリスタル・パレスに1-3で快勝した日曜日のプレミアリーグとほぼ変わらず。サネに代わって右サイドを担うのはベルナルド・シウヴァです。GKエデルソン、DFカイル・ウォーカー、コンパニ、ラポルテ、バンジャマン・メンディ、MFデブライネ、ギュンドアン、ダヴィド・シルヴァ、FWベルナルド・シウヴァ、アグエロ、スターリング。対するポチェッティーノ監督は、現在のベストメンバーを揃えて正攻法で勝とうとしています。GKロリス、DFトリッピアー、アルデルヴァイレルト、フェルトンゲン、ダニー・ローズ。中盤センターにシソコとワニャマ、2列めにエリクセン、デル・アリ、ルーカス・モウラ、最前線にプレミアリーグ12ゴールのソン・フンミンという布陣でしょうか。

キックオフからわずか4分、デブライネが左に展開したボールをスターリングが中に持ち込むと、右足のコントロールショットが右のサイドネットに突き刺さりました。スコアレスドローの可能性がなくなったポチェッティーノ監督と選手たちの最大のテーマは、アウェイゴールを決めることになりましたが、7分という早い時間に歓喜の瞬間が訪れました。エリクセンのパスを中央で受けたデル・アリが縦にスルーパスを出すと、ラポルテがカットしたボールがソン・フンミンへ。7番が迷わず右足を振り抜くと、エデルソンに当たったボールがネットを揺らしました。

アウェイサポーターが集うスタンドは、9分に再び絶叫します。ラポルテのドリブルをルーカス・モウラが敵陣でカットしてボックス前まで運び、後ろにいたエリクセンへ。左サイドが2対1になっていたのを見逃さなかった司令塔が速いパスを通すと、ソン・フンミンの完璧な一撃がゴール右上に吸い込まれました。3点が必要になったマン・シティは、10分に同点に追いつきます。アグエロが右に出したパスで、ベルナルド・シウヴァがボックスに侵入。左足のシュートはダニー・ローズの足に当たり、逆を取られたロリスは枠に転がるボールを呆然と見送るしかありません。予想外の乱打戦。次のゴールが、勝負を分けるポイントとなりそうです。

2-2となり、落ち着きを取り戻したシティ・オブ・マンチェスター。17分のダヴィド・シルヴァのFKはクロスバーを越え、20分にエリクセンが放った左足ミドルも浮いてしまいます。21分、ベルナルド・シウヴァとのコンビで右サイドを崩したデブライネがファーに高速グラウンダーを送ると、スターリングがロリスの動きを見て右隅にボレーを決めました。3-2、このまま終わればアウェイゴールルールでスパーズの勝ちです。攻め合いが続くシティ・オブ・マンチェスター。スパーズは最前線にルーカス・モウラが入り、ソン・フンミンは左サイドが主戦場となっています。

37分、ゴールラインまで抉ったデブライネがニアにグラウンダー。アグエロのシュートは、アルデルヴァイレルトがブロックします。39分、スパーズに激痛のアクシデント。数分前に足を痛めた後、ピッチに戻っていたシソコが再び座り込んでしまいました。ポチェッティーノ監督の交代カードは、何とジョレンテ!43分、サイドチェンジを受けたソン・フンミンがカイル・ウォーカーをかわして左足を振り抜くも、ボールはファーポストの外に切れていきます。前半は3-2のままで終了。次のゴールを決めたほうが、ベスト4を視界に捉える展開です。

49分、ボックス手前からのFKを蹴ったのはデブライネ。直線的な弾道のシュートはうまく落ちず、ロリスのグローブの先を越えていきます。1分後、ギュンドアンが左のダヴィド・シルヴァを使い、グラウンダーに合わせたスターリングのボレーはロリスがセーブ。詰めたベルナルド・シウヴァは枠に押し込めませんでした。猛攻を続けるマン・シティ。54分のデブライネの強烈なミドルは、ロリスが右に弾き出します。

58分、エリクセンのスルーパスで抜け出しかけたソン・フンミンはタッチミスでチャンスを逃し、左に出たボールをデル・アリが中に入れると、ジョレンテのダイビングヘッドはエデルソンが素晴らしいセービングで阻みました。その1分後、中央をドリブルで進んだデブライネが柔らかい縦パスでアグエロを走らせます。ボックス右に出たプレミアリーグ19ゴールのエースは、教科書通りにロリスの肩越しを狙って4-2!今回のホーム&アウェイでマン・シティがスパーズを上回ったのは、これが初めてです。

72分、トリッピアーの縦パスでソン・フンミンがボックス右に流れると、飛び出したエデルソンがシュートをブロック。ここからの2度めのCKをジョレンテが腰に当てて押し込み、またしてもスパーズがアウェイゴールルールで上に立ちました。77分に右からのグラウンダーをエリクセンが左足で狙うと、コンパニが体を張ってブロック。残り時間は10分を切りました。ポチェッティーノ監督は、ルーカス・モウラに代えてベン・デイヴィス。ペップの切り札はバンジャマン・メンディをレロイ・サネです。

86分、フェルナンジーニョが左に浮かしたボールをサネが頭でゴール前に送ると、ギュンドアンのボレーはクロスバーの上。全員が自陣に引いているスパーズは、最後まで耐えられるでしょうか。90分、ダニー・ローズが下がってダヴィンソン・サンチェス。93分、エリクセンが致命的なミスパスを奪われ、アグエロのラストパスをスターリングがロリスの足に当てて押し込みました。歓喜に沸くシティ・オブ・マンチェスター。スターリングは天を仰ぎ、ペップは飛び跳ね、デル・アリとロリスはピッチに倒れ込んでいます。ところが…!

レフェリーの素振りから、VARが発動したことが窺えます。レフェリーのジャッジは、アグエロの戻りオフサイド。マン・シティの4冠チャレンジを継続させる劇的なゴールは認められませんでした。追加タイム6分33秒、アウェイサポーターが待ち焦がれたタイムアップのホイッスル!スパーズがアウェイゴールルールでマン・シティをかわし、現行のCLになってからはクラブ史上初となるベスト4進出を果たしました。

序盤の撃ち合い、シソコリタイア、アグエロの一撃、ジョレンテの「決勝点」、無念のオフサイド…。ハンドを疑われたジョレンテのゴールはVARでお咎めなし、アグエロはオフサイドと、新しいシステムを用いたジャッジが明暗を分けるポイントとなりました。乱戦のトリガーとなったソン・フンミンの2発をリスペクトしつつも、MVPはマウリシオ・ポチェッティーノだったと思います。ジョレンテを前に置いてデル・アリをセンターに配し、サイドが危険と見るやベン・デイヴィスで蓋をするなど、マン・シティの猛攻を何とか止めようとする采配は見ごたえがありました。ベスト4進出、おめでとうございます。どちらが勝っても喜ばしく、どちらが敗れても悔しさが残る凄い試合でした。スパーズの指揮官のガッツポーズを目撃してから40分以上が経ちましたが、未だ震えが止まりません。


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プロフィール

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makoto
性別:
男性
職業:
ものづくり
趣味:
サッカー観戦
自己紹介:
プレミアリーグがとりわけ好きなのは間違いありませんが、チャンピオンシップ、セリエA、ブンデスリーガ、リーガエスパニョーラ、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグはもちろん、Jリーグ、なでしこリーグ、高校サッカーまで何でも観ます。今季のプレミアリーグで、特に活躍を期待している選手は、ダヴィド・デ・ヘア、マーカス・ラシュフォード、メスト・エジル、モー・サラー、エリクセン、ムヒタリアン、岡崎慎司、吉田麻也です。

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