ガナーズの価値あるギャンブル!? エヴァートン時代の同僚とあの名将が「アルテタ監督」を激賞!

モイーズ、アラダイス、ランバート、カルヴァリャルと、プレミアリーグ2017-18シーズンの途中から不振のチームの立て直しにトライした監督が続々と退任。その一方で、新体制を早期に構築すべく、指揮官の首を挿げ替えたクラブが来季のマネージャーを決めにいっています。最下位でチャンピオンシップ降格となったWBAは、アラン・パーデューの後を受けて指揮を執ったダレン・ムーア暫定監督と正式に契約。44歳のクラブOBは、短期間のテストに対してプレミアリーグ6試合3勝2分1敗という模範解答を提出し、千載一遇のチャンスを活かしました。ウェストハムは、元マンチェスター・シティ指揮官のマヌエル・ペジェグリーニ監督に白羽の矢を立てたようです。「スカイスポーツ」は、ラファエル・ベニテスの可能性は消えていないとしながらも、ハマーズとチリ人指揮官は合意間近と報道。2013-14シーズンの優勝監督は、確実にプレミアリーグ復帰に近づいているようです。

さて、本題はミケル・アルテタです。「BBC」がフロントランナーと報じたガナーズOBについて、「スカイスポーツ」も大々的に取り上げています。「Mikel Arteta to Arsenal: Why it might be a gamble worth taking(アルテタはアーセナルへ:なぜ、取るべき価値のあるギャンブルなのか)」と題された記事は、エヴァートン時代に同僚だったアラン・スタッブスのコメントを取り上げ、アルテタの監督としての資質を評価しています。「ミケルは、チームの戦い方について、常に意見を持っていた。賛成も反対もあったけど、建設的な議論だったね。古株ではなかったのに、怖れなかった。彼には勝つため、戦うために必要なヴィジョンやアイデアがあった」。

レアル・ソシエダからレンタルされた当時のアルテタは、まだ22歳。プロフェッショナルで集中力があったと語る10歳年上の元CBのリスペクトは、「彼はリーダーで勝利への情熱があり、クラブにとって何が重要かわかっている」と評したヴェンゲル監督と通じるものがあります。スタッブス氏の後に、記事に登場したのはペップ・グアルディオラです。サウサンプトンに勝利した最終節の試合後、プレミアリーグ最強チームの指揮官は「今季の傑出した成功は、アルテタの貢献がなければ実現しえなかった」とコメント。「残ってくれたら、世界一幸せな男になるね」といいながら、彼の決断を止めることはできないとも明言しています。

ここまでは、「アルテタは監督にふさわしい人物である」というだけで、特段の驚きはありませんでした。私が、ガナーズで指揮を執る彼を見てみたいと前のめりになったのは、「マンデー・ナイト・フットボール」に出演したペップが、アルテタのコーチングについて詳細に紹介していたという話を読んでからです。マン・シティの監督によると、ラヒム・スターリングとレロイ・サネがボックスに侵入する戦術をサポートしたのは、アルテタだったそうです。

「ミケル・アルテタは彼らをサポートしてくれました。トレーニングセッションの後、ボックスに近づいていくときの動きについて一緒に取り組み、ゲームでよくあるシチュエーションに慣れさせ、彼らが何をすべきかを確信させたのです。要は、質の高いドリブルがある選手は、トライしないといけないということです」(ペップ・グアルディオラ)

プレミアリーグNo.1の名将が、これだけ具体的にアルテタをリスぺクトしていると聞けば、彼が率いたチームを見てみたいという衝動にかられます。リース・ネルソンやメートランド=ナイルズ、イオビ、コラシナツといった粗削りなタレントが、プレミアリーグ15アシストのレフティや、18ゴール11アシストのスピードスターのような選手に化ければ、ガナーズはより魅力的なチームになるのではないでしょうか。「スカイスポーツ」が主張するように、「価値あるギャンブル」なのかもしれない…。「Goal.com」が、アルテタとアーセナルが基本合意に至ったと報じました。監督としての実績がない36歳の抜擢が、アッレグリ招聘よりもリスキーなのは間違いありませんが、すんなり決まったら前向きに注目し続けたいと思います。記事は、「来週にも正式発表」と伝えています。


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「打診はジェスチャーだった」とヴィエラが失望…アーセナルの本命はミケル・アルテタ!?

「スカイスポーツ」が報じたアーセナルの新監督にまつわるゴシップが、現地メディアを駆け巡っています。「Patrick Vieira upset at 'token gesture' from Arsenal after being contacted by former club(かつて所属したクラブとコンタクトをとったパトリック・ヴィエラは、形ばかりの打診ではないかと怒っている)」。アーセナルに所属した9シーズンで公式戦406試合、プレミアリーグ279試合に出場したヴィエラは、デニス・ベルカンプやティエリ・アンリに引けを取らないレジェンドです。アーセン・ヴェンゲル監督の退任が発表された後、クラブOBの次期監督候補としてヴィエラと人気を分け合っているミケル・アルテタは、5シーズンでプレミアリーグ110試合出場と実績では遠く及びません。

記事によると、アーセナルから監督就任の打診を受けたヴィエラは、ジェスチャーにしか感じられなかったクラブの姿勢に失望し、かつての同僚にこぼしたとのこと。アーセナルとしては、「ヴィエラにヘソを曲げられたから、別な人物を招聘」などという不細工な着地は避けたいところです。

2016年1月にニューヨーク・シティFCの監督に就任したヴィエラは、2017年のMSL東地区で2位、トータルでも2位というクラブ史上最高の戦績を残しました。プレーオフにあたるMSLカップでは、2年連続のベスト8に終わりましたが、ペップ・グアルディオラは「既にトップレベルの監督だ」とその手腕に太鼓判を押しています。ポジティブ発言がやたら多いプレミアリーグ最高クラブの指揮官の言葉は、割引が必要なのかもしれませんが、監督経験がないアルテタに対しては一日の長があるといっていいでしょう。

ヴェンゲル監督の退任発表直後に、アーセナルの監督になるのではないかと噂されたヴィエラは、「アーセナルの話で名前が挙がるのは光栄なことだね。9年過ごした場所を今も愛しており、常に関係を深めたいと思っている。ただし、この発言をニューヨークから去りたいと捉えないでほしい。『欧州のクラブを率いるつもりはあるか』と聞かれればイエスだ、といっているだけだ。監督をやっているなら、いつかは欧州で最高のクラブを率いてみたいと思うものだ」と、所属クラブに配慮しながら思いを語っていました。この頃から、強いラブコールがあれば前向きに検討しようと考えていたのではないかと思われます。

アーセナルは、どんな意図をもってヴィエラに打診したのでしょうか。アッレグリやアルテタとの交渉が不調に終わった際の押さえだったのか、声をかけないわけにはいかないと考えたのか。ヴィエラのいうとおりだったとすれば、本命ではなかったということになりますが…。ルイス・エンリケはギャラが折り合わずに見送りと伝えていた「Goal.com」は、アッレグリが難しければアルテタと報じています。一時はヴィエラ本命としていたブックメーカーも新しいオッズをアップデートしており、「ウィリアム・ヒル」は本命アルテタ、対抗ブレンダン・ロジャース。次がアッレグリで、ヴィエラは4番手に落ちています。

ペップのノウハウと直近のプレミアリーグをよく知る36歳のアルテタが、2年前まで過ごしたクラブの指揮を執ることになるのでしょうか。ヴィエラ推しだった私としては、「22年前に、46歳の指揮官を日本から連れてきたクラブが、今度は41歳をアメリカから呼ぶのか…!」と楽しみにしていたのですが、ガナーズはもうひとつのロマンを選ぼうとしているようです。アルテタ、いいと思います。しかし、ヴィエラも捨てがたい…。(パトリック・ヴィエラ 写真著作者/Simon Heseltine)


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現地レポート~素晴らしいスタジアム、素晴らしいファン。最後のEL、アトレティコ・マドリード戦!

本日は、プレミアリーグ2017-18シーズンの最終節。アーセン・ヴェンゲル監督がアーセナルで指揮を執る最後の日です。そんな朝にふさわしいのではないかと考え、今回は、ヨーロッパリーグのアトレティコ・マドリード戦とプレミアリーグのバーンリー戦を観戦した、わがグーナーの特派員の現地レポートをお届けします。まずは前編のマドリード紀行から。せつなかったあのワンダ・メトロポリターノの夜を語り切っていただきました。さっそく、どうぞ!


5月6日のプレミアリーグ37節、アーセナルのホーム最終戦を見るために、何とか都合がつきそうだとロンドンまでの航空券と宿を取ったのが4月17日。6日のチケットも確保し、「この日程ならマドリード(ヨーロッパリーグ準決勝、アトレティコ・マドリード戦の2ndレグ)にも行けるけど……」と迷っているうちに、ヴェンゲルの退任が発表されるという劇的な展開。すぐに6日のホームゲームのチケットは売り切れ、「これはマドリードもダメかもね」と思っていたのですが、4月24日、改めて公式サイトをチェックしてみると、上級会員向けの限定販売が終わってレッドメンバー(平会員)向けの販売が始まっているではありませんか!レッドメンバーまでは回ってこないと思っていたのに、まだ残っているということはこれも運命……と、36.5ポンドのチケットを購入するところから、わがマドリード行きプランがスタートしました。

試合のチケットは拍子抜けするくらい安いのですが、手ごわいのが航空券です。ロンドン-マドリード間はふだん、安い日程なら日本円で1万円程度で往復できてしまうのですが、試合の日程が決まったその日から航空券の値段は急上昇。ヨーロッパのアウェイマッチでは、航空券の手配はチケット確保以上の最優先事項なのです。実際、ロンドン在住の私の友人も、ドローが決まったその日に航空券を探したそうですが、迷っている間にもどんどん値上がりしていくという状況だったとか。そんな状況なので、試合の10日前ではそもそも取れる航空券自体が希少。乗り継ぎもやむなしか……と思っていたところ、いろいろあって何とか直行便を見つけることができましたが、そのかわりマドリード到着は深夜。初めての街に深夜バスで何とか乗り込み、こちらもやっと見つけた安宿には無理を言って午前1時台にチェックインさせてもらうというハードスケジュールです。そうやって必死で手配したのに、勝てそうだった26日の1stレグはまさかのドロー。すでに修行の予感が漂っていました。

ちなみにチケットは、アーセナル公式が「郵送する」というのをわざわざ連絡して止めてもらい(だって絶対日本出発までに間に合わない!)、後日引き取り方を案内してもらうことになりました。ようやくその案内が来たのは、ロンドンに入ってからの4月30日。「マドリードのインターコンチネンタルホテルで配るので、当日13時30分~14時30分の間に来るように」というもので、またこれがやりにくい……。というのも、キックオフは21時。それまでどうやって過ごそうかなと考えていたのに、その時間にそこに行くとなると選択肢は激減します。そもそも、それより遅い便で現地入りする人だっているだろうに、その人たちはどうするの!?という話。まあアーセナルがユーザーフレンドリーでないことには慣れていますが、本当にヨーロッパのアウェイは何かと大変です。

ともかく、そんなこんなで何とかチケットを引き取り、そこに来てくれた友人と合流して、16時まで入れるという有名レストランで遅いランチを取ることにしました。「世界最古のレストラン」としてギネスにも認定されている「リストランテ・ソブリノ・デ・ボティン」 という店(子豚の丸焼きで有名)です。イギリス国内なら、アウェイの地をアーセナルのシャツを着てうろうろするのは基本やめたほうがよいのですが、ここは観光客が多いこともあってなんとなく大らかなムード。途中ウエイターさんに「アーセナルサポか?」と聞かれて「はいスミマセン……」みたいに答えたら、「いいんだこっちはレアルサポだし」と返されたり。よかったー、豚をひと切れ減らされたりしなくて!ちなみに名物の子豚のローストは、皮はぱりぱり、肉はねっとりゼラチン質の、それはそれは美味しい一品でした。

食事を終えて外に出ると、それでもまだ17時前。スタジアムに向かうのは早い、かといってどこか観光するほどの時間もないということで、少しぶらぶら歩いてみようということになりました。マドリードは案外坂の多い街で、レストランを出てすぐのところにも、建物を貫通するように設けられた謎の階段が。とりあえずあそこを上ってみようと行ってみると、階段を上り切ったところは建物に囲まれた広場になっていて、なんと!見慣れたシャツのみなさんが占拠しているではありませんか!「ヨーロッパの大会では、アウェイサポが広場に集まって騒ぐ」というのがお約束ではありますが、マドリードではそれがここ、「マヨール広場」だったのです。

聞きなれたエジルのチャントはエンドレスリピート、お土産売りはアーセナルのエンブレムの入ったハットを売っているし、アコーディオン弾きは「聖者の行進」を弾いていて(ちなみにこれは"We won the league♪"とアーセナルがプレミアリーグ制覇したときのことを歌う、サポお気に入りのチャントのメロディ)、まあ迎えるほうも商売っ気たっぷり(笑)。友人も私もまったく知らずに足を踏み入れたのですが、結果的に正しい過ごし方になったというかなんというか。その後、近くにあるチュロスの元祖というお店でチュロスとホットチョコレートを堪能した女子2人は、いよいよスタジアムに向かうのでした。

アウェイサポーター向けのガイドブックによれば、アウェイサポの「ミーティングポイント」はCanillejasという駅の近くの広場とのこと。そこから現地の警察が先導してスタジアムまで連れて行ってくれるという流れです。ひとまずその駅まで行ってみると、階段を上がったところにあるちょっとした空間(決して広場ではない!)に100人ほどのアーセナルサポがたむろしていました。18時40分頃になると、「はいはい行きますよ~」という感じで警察から声がかかり、みんなが歌いながら歩き始めます。しばらくはアパートの並ぶ住宅街が続き、住民が窓から見下ろすなか、騒がしい一団は意気揚々とスタジアムを目指すのでした。

そんなこんなで歩くこと30分近く。ワンダ・メトロポリターノは、埋め立て地のような何もないだだっ広い場所に建っていて、外回りはいかにも寂しい感じ。そのかわり、スタンド裏からはマドリード市内や遠くの山まで一望できてなかなかの眺めです。そして中に入ると文句なしに最高のスタジアム。収容人数約6万8000人。1階の傾斜はわりとなだらかですが、2階から上は傾斜が強く、大きさのせいもあるかもしれませんが、個人的には2年前に行ったカンプ・ノウよりずっと見やすく感じられます。アウェイ席はゴール裏の高いところに用意されていて、ホーム席との間にネットが張られているのは残念ですが、それでも見え方は最高。私の席はちょうど最上段のど真ん中で、素晴らしい見晴らしです。そして何より音が響く!ホームチームのメンバー発表は、演出やファンの熱さも相まって、敵ながらほれぼれするようなメンバー発表でした。(その様子があまりにもラヴリーだったので、こちらに動画をアップしておきます)

 それにしても、ここまでずっと「楽しみ」というより緊張していた私。それはもしかしたら、結果について何か予感することがあったのでしょうか……試合後に多くの人が語っていたほど内容が悪いとは思えなかったのですが(コシェルニの負傷の重大さも、スタンドからはわからなかった)、気が付けば例によって「あれ?前半ショッツオンゴールあったっけ?」という状態。後半、ミキの素晴らしいシュートにときめいたりはしながらも、どちらかといえば、何かと巧みなアトレティコにやられっぱなしの90分だったように思います。たとえば、徹底的にこちらをイラつかせるジエゴ・コスタのふるまいの数々。いやいやカメラに映っていないところでめちゃくちゃやってますよアイツ!!!でも、それが効果的だったのも事実なのだと思います。そしてホームサポーターの集中力。それこそ2年前のバルセロナが、全体的に弛緩して感じられたのとは正反対で、スタンドの凝縮感や一体感には敵ながら胸を打たれるものがありました。もちろんアーセナルサポも頑張ったけれど、あの日のアトレティコサポにはちょっと脱帽。寂しいことですが、いろんな意味で、今のアーセナルの「かなわなさ」を痛感する結果になりました。

そしてヨーロッパのアウェイでは、ホームサポーターが大方退出するまでアウェイサポーターは帰らせてもらえないのが恒例。屋根と壁との間にすき間があり、風が吹き抜けて寒くてしょうがないなか、われわれアウェイサポはホームサポが帰るまでひたすら待っているわけですが、決勝進出で盛り上がるゴール裏のサポはまあ帰らない帰らない!しまいになんと、一度はロッカールームに下がった選手までもう一度ピッチに出てきて、「もう優勝気取り!?」と言いたくなるような大騒ぎ。「はよ帰れー!!!」と毒づくことでカラ元気を出しながら、本当は、この結果と、それが象徴するもろもろのことについて思いを巡らせていました。

私をフットボールに引き寄せてくれたヴェンゲル。22年間のアーセナルの輝かしい歩み。せめて最後はその栄光にふさわしく、トロフィーを掲げて終わることを夢見ていたけれど、それはやはり夢でしかなくて、こうやって負けて惨めに終わるのが今のアーセナルなのだということ。言い換えれば「終わる」ということはそういうことで、とことんダメになり、全く美しくなく、だからこそ終わるのだということ……。「終わりを納得するためのプロセスとは、こういうことなのかもしれないなあ」と、風にさらされるスタンドでそんなことを思っていたのです。

悲しいけれど、こういうことだ――そんな冷たく静かな境地に、3日後、もう一度温かい灯がともる日が来ることは、このときは想像もできずに。(つづく)


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アッレグリは破談!?…ならばヴィエラ抜擢はいかが?アーセナルの新指揮官を考える。

5日ほど前に、「BBC」がルイス・エンリケとマッシミリアーノ・アッレグリに絞られたと報道しておりましたが、アーセナルの新監督選びは難航しそうな雲行きです。元バルサ指揮官のほうは、高い年俸がネックになるといわれており、プレミアリーグにチャレンジしたがっていると伝えられていたユーヴェの監督についても、ここへきて多くのメディアがトーンダウン。「ザ・サン」が、プレミアリーグ6位からの巻き返しを図る名門クラブとイタリア人監督が「口頭で合意に達した」と主張している一方で、他のメディアは「アッレグリに鼻であしらわれる(エクスプレス)」「イタリアに残る意向(インディペンデント)」と、軒並み懐疑的です。

「インディペンデント」がイタリアからの名将の招聘に否定的なのは、コッパ・イタリアを制した直後にアッレグリ監督がユーヴェ残留をほのめかすコメントを残しているからです。「われわれは次のタイトルのために戦わなければならない。私はユーヴェと契約しており、毎年、シーズンの終わりには将来のプランについてミーティングを実施している」。イタリアメディアの大半は、4シーズン連続でセリエAと国内カップのダブルを達成する寸前の監督は、ユーヴェに残ると予想しています。

「エクスプレス」は、アッレグリが来たがらない3つの理由を挙げています。現有戦力のクオリティ、補強予算、そして「filling Wenger's shoes~ヴェンゲルが履いていたシューズを埋める難しさ」。チャンピオンズリーグで2年連続のファイナリストとなった指揮官が、プレミアリーグ6位からの巻き返しとヨーロッパリーグ制覇というミッションを引き受けるためには、クラブからのバックアップは必須でしょう。エジル、オーバメヤン、ムヒタリアンに高額のサラリーを支払っているクラブが、財布の紐を堅く結んでいるのが見えれば、勝てるチームで仕事を続けるほうに傾くのは理解できます。

本命に挙げられていた実力者たちが難しければ、次なる候補は、アルテタやヴィエラなどのクラブOBと、ホッフェンハイムの30歳指揮官ナーゲルスマンなどの若手です。意中の監督と折り合えず、デヴィッド・モイーズに声をかけて混乱の扉を開いた2013年のマンチェスター・ユナイテッドと同じ空気が漂ってきました。このうえアーセナルが、ライバルの失敗のトレースを回避するなら、選手やサポーターがひとつにまとまれるOBを抜擢するのがいいのではないでしょうか。2008年にBチームからペップを引き上げたバルサや、2016年にベニテスの後釜にジダンを据えたレアル・マドリードのように。

私は、以前にアッレグリを推していた時期があったのですが、彼を含む名将たちが難色を示すのであれば、単純にレベルを下げるのではなく、発想を変えたほうがいいと考えています。ペップ・グアルディオラが「既にトップクラスの監督だ」と絶賛するパトリック・ヴィエラはどうでしょうか。明るくクレバーで、人当たりの柔らかさと勝利への執念を兼ね揃えたキャラクターは、ガナーズのカラーを継承してくれそうです。予算がないならCB獲得に集中させ、セントラルMFにメートランド=ナイルズ、サイドのリース・ネルソン、前線のエンケティアなど、若いタレントの成長を促すチーム作りを進めていただければいいでしょう。

オーバメヤンとミキはさらなるジャンプアップが期待でき、パスコースをカットする守備に長けたエルネニーは、役割を明確にすればもっと活躍できるはず。コラシナツは、セントラルやインサイドMFにコンバートしてもおもしろいのではないでしょうか。今の戦力を十全に活かし、ベジェリンやイオビに続く若手のブレイクがあれば、アーセナルは戦えるのではないかと思います。

ヴィエラを招聘するなら、クラブとサポーターは「3年後に笑えればいい」と腹をくくり、最初のシーズンの多少の不振には目をつぶる覚悟が必要でしょう。一瞬しゃがむのはOK、しかし混乱だけは絶対に許さない、と。本日は、ヴェンゲル監督のラストゲーム。感傷的な90分が終われば、アーセナルは次のステージに向かって走り出します。いつまでも、彼ららしくあってほしい。難しい状況になりつつある指揮官選びに、引き続き注目してまいります。


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勝負しなかった2試合。ヴェンゲル監督のアーセナル、最後の欧州決戦を振り返る。

あえて、勝てたといいたい。ヨーロッパリーグ準決勝のアーセナルVSアトレティコ・マドリードのお話です。グーナーを含む多くのサッカーファンが、ラ・リーガ2位とプレミアリーグ6位の明確な差を感じたのではないでしょうか。セカンドレグのレポートに「連携、状況判断、パスの精度、ポジショニング。すべてにおいて、ラ・リーガのクラブが上回っていました」と書かせていただいた私も、それには同感です。しかし、ときに弱者が強豪の足をすくうのがサッカーです。今回の対戦では、ファーストレグの開始13分までに、プレミアリーグのクラブに2つの追い風が吹きました。ヴルサリコのレッドカードと、シメオネ監督の退席処分。アーセン・ヴェンゲル監督にとっては、好調同士なら勝てない相手を1-0、2-0で叩き潰す千載一遇のチャンスでした。

アーセナルが一方的に攻め立てる展開。30分過ぎからいくつか危ないシーンはありましたが、オスピナのビッグセーブで事なきをえて、前半は0-0。ウェルベックやウィルシャーが決めてくれていればとは思いましたが、61分にはラカゼットが美しいヘディングシュートで待望の先制点をゲットします。残り30分で1-0なら上々です。ガメイロをガビ、コレアをサヴィッチと、ラ・リーガでノーゴールの選手を2人継ぎ込んだアトレティコ・マドリードの狙いは、「まずは2点めを阻止、あわよくばカウンターで同点」といったところでしょう。

残り15分、最優先はアウェイゴールを許さないこと。ヴェンゲル監督のベンチには、コラシナツ、イオビ、メートランド=ナイルズがいました。引いてカウンターを狙う相手に対して、プレイが遅い選手、ドリブルで仕掛ける選手は不要です。ピッチに足したいのは、運動量と速いさばき。前者ならウィルシャーをイオビ、後者はウェルベックをコラシナツといった交代策が考えられます。

しかし、指揮官は動きませんでした。82分のウェルベックは、なぜドリブルで仕掛けたのか。前方には3人おり、ひとり抜いたとしてもチャンスにはならず、奪われればフリーの選手にボールが渡る状況です。アーセナルには、「リードしたらマイボール重視」「ガビとサヴィッチを足された後は、ペースダウンしてセーフティなアタック中心」などといった意志の疎通がなかったのでしょう。ヴェンゲル監督は、交代選手にメッセージを託して戦い方を徹底させるという意味でも、新しい選手を投入するべきでした。

ファールをもらいにいくように転倒したウェルベックに笛は吹いてもらえず、怖れていた正確なロングフィードが前線へ。先着したコシールニーは、中へ蹴っておけば安全でしたが、背後にクリアしようとしてグリーズマンにさらわれ、1対1となったオスピナに当たったボールもグリーズマンの前にこぼれます。カバーしようとしたムスタフィはスリップ。3つのターニングポイントは、すべてフランス代表FWに利する結果となりました。この瞬間、アトレティコ・マドリードの勝利が決まったといっても過言ではないでしょう。セカンドレグで指揮官不在の強者を焦らせるためには、1-0というハンディキャップが必要でした。なぜ、相手が2枚カードを使っても動かなかったのか。なぜ、最後までカードを切らなかったのか。ホームでの痛恨のドローは、指揮官の采配ミスによるものだと思います。

0-0なら強者が決勝進出と、最初から不利だったセカンドレグは、それでも先にゴールを奪えれば一気に可能性が高まる一戦でした。ヴェンゲル監督は、なぜ初戦と同じスタメンを選んだのでしょうか。リスキーなウェルベックは、最終盤にラカゼットと並べて高いボールを狙わせるオプションとして、ヘンリク・ムヒタリアンで勝負すべきだったと思います。前年のELで6ゴールをゲットしたアルメニア代表のアタッカーがいれば、エジルがゴールに近い位置でプレイする機会を増やせたのではないでしょうか。

ようやくミキが登場したのは、68分。鋭いシュートや効果的なサイドチェンジを披露したものの、彼がいいポジションに入ったらボールを集めるという意識がチームに浸透しておらず、攻撃を活性化したとはいえませんでした。無謀なドリブルを減らせなかったウェルベックは空回り。攻めのカードを1枚しか切らなかったヴェンゲル監督からは、ゴールを奪うための戦術も勝ちたいという気持ちも伝わってきませんでした。実力で劣るチームが、采配で勝負できなければ、結果は自明です。

昨日のレポートにコメントをくださったみなさん、ありがとうございます。これが、私からのお返事です。「諦めがついた」…そうですね。クラブに失恋したショックを引きずり、ふさぎ込んでいるかのような覇気のない采配でした。「将来のために我慢して使う」などといったことを考えなくてもいい最後の大勝負の場で、エミレーツのマンチェスター・シティ戦のようなエモーショナルな交代ゼロや、アタッカーを足さない最終盤を見せられれば、ため息をついて首を振るしかありません。なりふり構わず勝ちにいくアーセン・ヴェンゲルが見たかった…。試合を終えてから24時間以上が経った今も、悲しい気分が残っています。


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プロフィール

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職業:
ものづくり
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サッカー観戦
自己紹介:
プレミアリーグがとりわけ好きなのは間違いありませんが、チャンピオンシップ、セリエA、ブンデスリーガ、リーガエスパニョーラ、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグはもちろん、Jリーグ、なでしこリーグ、高校サッカーまで何でも観ます。今年、特に活躍を期待している選手は、ダヴィド・デ・ヘア、マーカス・ラシュフォード、メスト・エジル、モー・サラー、エリクセン、ムヒタリアン、岡崎慎司、吉田麻也です。

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