欧州激闘レポート(1) なかなか勝てないプレミアリーグ勢に足りないこと~CL&EL雑感

チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグがある週は、夜な夜な手に汗握って疲労困憊です。今までは、こんなことはありませんでした。昨季のグループステージでは、リヴァプールとマンチェスター・シティは苦戦していたものの、他は安心して観ていられました。ところが今季は、3試合を消化して2勝しているのはプレミアリーグ首位のマンチェスター・シティのみ。彼らとて、勝った2戦も90分まで1-1で、どうなるかまったくわからない展開でした。

同じ組にバルサなどの強豪が入っているならまだしも、「死のグループ」の中身は、ユーヴェとセビージャが14位、ボルシアMGは11位と、自国リーグでTOP10に届いていない絶不調チームの集まりです。国内に目が向き過ぎて欧州でいい戦いができていないプレミアリーグ勢に対して、他国のクラブは欧州に挑むとなると目の色が変わるのです。

何とか勝ち点6をゲットしたペジェグリーニ監督のチームに加えて、チェルシー、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッドは悪くない位置につけているものの、ホームゲームでひとつ失敗したらアウトという状態。リヴァプールは未だ勝利がなく、アーセナルに至ってはバイエルンとのアウェイゲームに勝ってもグループステージ敗退危機から脱出できません。テレビ放映権料やスポンサーフィーで金庫が潤い、いい選手が集まっているプレミアリーグ勢ですが、スペインやドイツなどUEFAランキング上位国どころか、イタリア、フランス、オランダ、ロシアに対しても優位といえる状態ではありません。彼らに、何が起こっているのでしょうか。2勝3分け1敗と微妙な結果に終わったCL・EL第3節のそれぞれのゲームを振り返り、現状足りないことや、勝つために必要なエッセンスを抽出してみましょう。戦術の詳細分析などは専門家におまかせして、ここではカジュアルに雑感めいたことを綴らせていただければと思います。

「プレミアリーグ勢が勝てないときのありがちパターン」を見事にトレースしてしまったのがリヴァプールでした。「先に点を獲られる」「ポゼッションは取れても相手の嫌がることができない」「中を固められて追いつくのが精一杯、もしくは追いつけない」。序盤にロングボールでシンプルにゴールを陥れるのは、以前はプレミアリーグ勢が得意としていた形です。しかし、リヴァプールはルビン・カザンのデヴィッチにこれを喰らってリードを許しました。このままずるずるいくゲームもありますが、アグレッシブな姿勢を前面に出したホームチームは、エムレ・ジャンがファールを誘ってSBを退場に追い込み、コウチーニョの素晴らしいFKからの攻撃で同点にしました。先制されたのはいただけませんが、前半のうちに追いつき、相手は10人。ここまでの展開は悪くありませんでした。

ところが後半、引かざるをえなくなったアウェイチームをリヴァプールは崩すことができませんでした。いちばん気になったのは、「相手の嫌がることができないこと」、言い換えれば、読みやすい攻撃を繰り返してしまったことです。

リヴァプールは、コウチーニョが上げた「左からゴール方面に曲がるプラスのロングフィード」で同点に追いついたのに、後半、左サイドからこの嫌らしいボールが上がることはありませんでした。クロスの大半は、縦に持ち込んでからマイナスに上げるボール。右からは、ときどきナサニエル・クラインやミルナーがアーリークロスを上げるものの、左は同じ球質です。ペナルティエリアに右から入ったときのララナのラストパスは、ニアに走った選手の裏を狙うグラウンダーと、完全にワンパターンでした。

出てくるボールの質が読みやすければ、相手のDF陣は同じリズムで守れます。変化を創出できるコウチーニョが下がり、ターゲットマンの役割を担うベンテケとコンビネーションにもコンディションにも難があったフィルミーノというオーダーになると、この傾向はますます強まりました。相手の嫌がることをやるという意味では、ベンテケに決めさせるボールを出すだけでなく、ベンテケに競らせて周囲が決めるという形も組み合わせれば、よりきわどいシュートシーンがあったのではないかと思われます。

とはいえ、彼らにはいいところもありました。シュート33本が示す通り、ミドルを中心にフィニッシュには持ち込めていたことと、劣勢のアーセナルにありがちな「不用意なパスをさらわれてカウンターを食らう」という場面がほぼなかったことです。ボールを獲られた直後、すかさず当たりにいって奪い返すのは、ポゼッションをもっているチームには重要な戦術なのですが、バルセロナの亜流になってしまったように見えるプレミアリーグ勢のポゼッションサッカーは、ここが決定的に欠けています。そんななかで、奪い返す戦術とショートカウンターをインストールしようとしているクロップ監督のチームは、今後が楽しみです。

「フルスロットルといいが、90分やれとはいっていない。ボールをキープしているときまでクレイジーに走る必要はない」と、新指揮官は語っており、タイトなプレミアリーグのスケジュール対策にも自信をのぞかせています。未来は明るく見えるものの、彼らの問題は、「2週間後、アウェイのルビン・カザン戦に勝ち切れるか」でしょう。チーム戦術を熟成する時間がないなか、リヴァプールは敗退危機にさらされています。

マンチェスター・ユナイテッドとチェルシーは、ロシアとウクライナへの長距離移動と寒いピッチに、「最悪ドローでもいい。とにかく負けない」という頭があったのではないでしょうか。しかし、彼らの相手だったCSKAモスクワとディナモ・キエフは攻撃にバリエーションがなく、サイドとカウンターさえケアしてうまく攻められれば充分勝てる相手だったと思われます。チェルシーは回復途上にあり、セスクとマティッチが攻撃に絡む形が創れたのは収穫でしたが、フィニッシュに精度を欠いたのと、ジエゴ・コスタに決めさせるボールが少なかったのが課題です。

マンチェスター・ユナイテッドは、0-3で快勝したエヴァートン戦の後半から出場し、まずまずだったリンガードを使う意図はわからなくはないものの、勝ちにいくなら「相手の嫌がるプレイができる」ファン・マタがほしいところでした。後半、フェライニがセンターの高い位置に動くことによって、効果的な楔が入るようになりましたが、ルーニーが空回りしているなかで変化を生み出せるのがマルシアルだけとなり、ようやくエンジンがかかった残り15分を淡泊な攻撃で終わらせてしまいました。レッズ同様マン・ユナイテッドも、途中出場のデパイがワンパターンなプレイに終始。中にドリブルで持ち込み、シュートにいけないとみるやセンターにパスを出すという「同じことの繰り返し」にはまっていました。CLプレーオフのクラブ・ブルッヘ戦で成功した、フェライニの頭に合わせる形も交えればよりゴールに近づけたと思います。デパイの左からのクロスは、ウィリアンやコウチーニョに負けず劣らず危険な弾道です。

長くなりました。この稿は、「欧州激闘レポート(2)キーワードは「サイド」「カウンター」「セットプレー」~CL&EL雑感」に続きます。


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プレミアリーグがとりわけ好きなのは間違いありませんが、チャンピオンシップ、セリエA、ブンデスリーガ、リーガエスパニョーラ、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグはもちろん、Jリーグ、なでしこリーグ、高校サッカーまで何でも観ます。今季のプレミアリーグで、特に活躍を期待している選手は、ダヴィド・デ・ヘア、マーカス・ラシュフォード、メスト・エジル、モー・サラー、エリクセン、ムヒタリアン、岡崎慎司、吉田麻也です。

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