現地メディアが巻き返しエピソードを紹介!「チェルシーがプレミアリーグを制した10の理由」

もし欧州で戦っていたら、難しい道のりだったのではないか。昨季のレスターも今季のチェルシーも、欧州の大会を戦っていなかった」。アーセナルのヴェンゲル監督が、チェルシーのプレミアリーグ制覇を祝福しながらも、国内の大会に照準を絞れる状況はアドバンテージだったと指摘しました。彼らがレギュラー固定で戦えたのは、ミッドウィークの試合が少なかったからだとは思うものの、プレミアリーグでレコードタイの29勝を積み上げ、FAカップでもファイナルに進出したチームについてはとにかく強かったというべきでしょう。

3位以下からスケジュールのアドバンテージについて声を挙げれば、最後まで優勝を争ったポチェッティーノ監督にたしなめられそうです。慣れないウェンブリーでCLとELを戦うことになり、アーセナルやマンチェスター・シティと同じ試合数をこなしながら、プレミアリーグでホーム17勝2分という無類の強さを見せたスパーズは、24勝8分4敗と昨季のレスターに匹敵する戦績を残しています。これを圧倒的に引き離し、過去最多勝ち点95に2差まで迫ろうとしているチェルシーは、真の強者だったと思います。イギリスメディア「テレグラフ」は、「10 reasons why Chelsea won the Premier League(チェルシーがプレミアリーグを制した10の理由)」と題した記事を掲載。チェルシーの強さをリスペクトしつつ、コンテ監督のマネジメントの素晴らしさを紹介しています。

この記事では、散文的に10のエピソードを並べているのですが、よりわかりやすくするために、「補強」「戦術」「マンマネジメント」「ターニングポイント」の4テーマに編集してお届けしたいと思います。今思えば3000万ポンドはバーゲンだったエンゴロ・カンテ獲得、クレイジーともいわれたダヴィド・ルイスの買い戻し、ジャンルカ・スピネッリGKコーチの招聘が、イギリス紙が称賛する3大補強。レスターからやってきたカンテは、PFA年間最優秀選手を獲得する大活躍で、プレミアリーグ連覇を達成。中盤を幅広く動き回ってピンチの芽を摘み取ってくれるセントラルMFがいなければ、最終ラインは冷静さをキープできなかったでしょう。コンテ監督の3バックの中央という適役を与えられたダヴィド・ルイスは、カバーリング能力を発揮し、3000万ポンドは妥当だったと証明しました。さらにもうひとつ、私はこれは知らなかったのですが、記事によるとティボ・クルトワはクリストフ・ロリチョンコーチの下では幸せではなかったようです。スピネッリ氏によって本来のパフォーマンスを取り戻した守護神もまた、優勝に必要なパーツのひとつでした。

戦術面では、何といっても3バックの導入です。前半だけで3失点を喫した6節のアーセナル戦で、55分にマルコス・アロンソを投入したところからチェルシーの快進撃が始まりました。手応えをつかんだコンテ監督は、次のハル・シティ戦から3-4-3にシフトし、現在の11人をレギュラーに固定。「テレグラフ」は、ヴィクター・モーゼスの抜擢も大きかったとしており、アーセナル戦で発見したシステムが、今やアーセナルに踏襲されていることにも触れています。

さらに「マンマネジメント」では、「アザールのダイエット」「ジエゴ・コスタのスタメン剥奪」「一体感を醸成する夕食会」を挙げています。昨季プレミアリーグでスランプに陥ったアザールからピザ、ケチャップ、炭酸を取り上げてウェイトを絞らせ、天津権健からのオファーに揺れてコーチと揉めたジエゴ・コスタをレスター戦の先発から外しました。記事は、ジエゴ・コスタにマネージャーの権威を示さなければ、コンテ監督は耐えられなかったと指摘。ギャンブルに成功してエースが再度ゴールに向かうようになったことが、その後のチームにとって重要だったと解説しています。さらにコンテ監督は、ロンドンのレストランでしばしば開かれた夕食会でチームの団結を高め、クリスマスパーティーでは受付、ドアアテンダント、セキュリティスタッフにも日頃の労をねぎらうスピーチを捧げたそうです。メディアは、チームの和もまた、彼らが優勝に辿り着いた理由のひとつだと主張しています。

アーセナル戦で3バックにトライした後、ターニングポイントとなったのは、「クラブレコードのシーズン13連勝達成」「マンチェスター・シティ戦の勝利」「グディソン・パークにおけるペドロのゴール」。連勝によって独走態勢を築いたことがその後の余裕につながり、12月のエティハドにおけるマンチェスター・シティ戦の勝利は、どちらが優位かをはっきりさせた一戦でした。セスク・ファブレガスが、コンテ監督の下で働ける目処が立ったのも、この試合をターニングポイントのひとつとする所以です。35節のエヴァートン戦でペドロが決めた先制ミドルがなければ、試合はどちらに転んでいたかわからず、負けていればトッテナムの追撃に屈していたかもしれません。ここぞという試合で踏みとどまれたのも、今季のチェルシーの強さだったと思います。

以上が「テレグラフ」の分析です。欧州がなければ優勝に近づけるなら、2014-15シーズンのマンチェスター・ユナイテッドはもっと上に行けたはずで、その後ここまで苦しまずに済んだでしょう。適切な監督・スタッフ・選手の補強、不振に陥った選手の蘇生、マンマネジメント、コンディショニング…。アブラモヴィッチオーナーをはじめ、チェルシー経営陣とコンテ監督が必死に取り組んだ巻き返しの1年をあらためてリスペクトしたいと思います。来季は、TOP6が全クラブ欧州の大会にに出場するすっきりしたシーズンになります。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグで、より強くなったそれぞれのチームがハイレベルな戦いを繰り広げるのを期待しましょう。今の気分は、半分は「おめでとうございます。素晴らしい!」、もう半分は「待ってろ!チェルシー!」です。


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既にプレ契約書にサイン!? 中国の天津権健がジエゴ・コスタ獲得に9000万ユーロと報道!

そのニュースは昨日、スペインからやってきました。ジエゴ・コスタが中国スーパーリーグの天津権健移籍で合意。スペインのラジオ局「カデナ・セール」とスポーツメディア「アス」が報じたニュースを、イギリスでは「エクスプレス」がいち早く追いかけています。プレミアリーグが終わっていないタイミングの気の早い話であり、何かと煽る記事が多いメディアの報道となれば疑ってかかったほうがいいのかもしれません。しかし、スペインメディアは「プレ契約書にサイン」といい切っており、イギリスのタブロイド紙の見出しもまた「Diego Costa to China: Chelsea ace signs pre-contract agreement(ジエゴ・コスタは中国へ:チェルシーのエースはプレ契約書にサイン)」という断定的な表現です。

「アス」によると、4月28日にジエゴ・コスタと代理人のホルヘ・メンデスさんが天津権健の幹部4人とロンドンのレストランでディナーを愉しみ、その場で金額面の最終調整を済ませたとのこと。伝えられている年俸は3000万ユーロ(約37億円)!チェルシーは9000万ユーロ(約111億2000万円)の移籍金を承認しており、今月中旬には本契約を締結するといわれています。1月にも中国移籍が噂になっていたジエゴ・コスタは、先月のインタビューで「ロンドンでの生活には満足していない」と語っており、新しいチャレンジの魅力と莫大なサラリーに惹かれたのでしょう。公式戦116試合56ゴール、プレミアリーグ86試合52ゴールという素晴らしい記録を残した稀代のストライカーは、ラミレスとオスカルが活躍の場を求めた地へ旅立っていくようです。

生活スタイルの問題か、代表落ちやサッカーのレベルに対する懸念か、中国行きを渋る選手が多い欧州出身組に対して、南米の選手は高額サラリーなど自らへの評価重視派が多いようです。テベス、ラミレス、パト、オスカル、ティシェイラ、フッキ、ジャクソン・マルティネス、パウリーニョ、リカルド・グラール、グアリン、ラベッシ、エウケソンといった錚々たるメンバーが既に中国で活躍しており、スペイン代表ながら出身はサンパウロのジエゴ・コスタもここに加わることになります。今シーズンより中国スーパーリーグの昇格した天津権健は、元イタリア代表DFのカンナバーロ監督が率いるチーム。昨季プレミアリーグでチェルシーに所属していたアレシャンドレ・パトとベルギー代表MFヴィツェルが先に入団しており、ジエゴ・コスタ獲得となれば破壊力は格段に上がるものと思われます。

一方で気になるのは、チェルシーの最前線です。9000万ユーロをそのまま回すだけで大抵の選手は獲得できそうですが、後を継ぐのはプレミアリーグ得点王争いのトップに立つ24ゴールのロメウ・ルカクか、レアル・マドリードでリーグ戦先発出場12試合ながら13ゴールを決めているアルバロ・モラタか。スペインとイギリスのメディアは、異口同音に「コンテ監督のお気に入りはモラタ」。確かにチェルシーのスタイルにはフィットしそうですが、エデン・アザールとトレードとなるなら、いっそルカクまで獲ってしまって4-2-4を併用という手もあるのではないでしょうか。

その後、「ザ・サン」「テレグラフ」「スカイスポーツ」などが続々とこのニュースを報道。「テレグラフ」は、「選手との話は問題なく、クラブも放出する意志はあるが、チェルシーに支払われる移籍金については最終的な合意に至っていない」と天津権健のオーナー束昱輝氏が語っていると伝え、「後釜はルカク」としています。エースが出ていくとしても、チェルシーサポーターにとっては不安より期待のほうが大きいでしょう。ジエゴ・コスタの中国行きが決まれば、最後の仕事はプレミアリーグ優勝とFAカップのダブルという極上の置き土産を残すこと。コンテ体制2年めとなるチェルシーは、エースを売ったお金を遣って補強を進め、盤石の体制でチャンピオンズリーグに復帰するはずです。


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U21代表で絶賛されたロフタス=チークはクラブでは…欧州各国に散らばるチェルシーの若手を追跡!

インターナショナルマッチウィークも残りわずかとなり、昨日は世界各地でワールドカップ予選が開催されました。日本代表がタイを4-0で破ったゲームに、エキサイトした方も多いのではないでしょうか。昨日、ゴールを奪った4人は、全員が欧州で調子を上げていた選手でした。セインツでレギュラーを奪取した吉田麻也は、プレミアリーグ9試合連続出場。岡崎慎司もレスターのプレミアリーグ3連勝とCLベスト8進出に貢献しており、ドルトムントの香川真司も2試合連続スタメン。1月にベルギーのヘントに移籍した久保裕也は7戦5発の大爆発で、6位だったチームの順位を2つ押し上げています。こう書くと、実戦感覚は重要というひとことで終わりそうですが、各国の代表のシャツを着て戦っている選手を見渡すと、そんな話ばかりでもありません。

Chelsea’s Ruben Loftus-Cheek shines as England Under-21s thrash Denmark」。イギリスメディア「ガーディアン」が絶賛したのは、0-4で勝利したデンマーク戦で2ゴールを決めたイングランドU-21代表ロフタス=チークです。「楽しかった。クラブではあまりプレイしていないので、イングランド代表ではハードワークして鋭さを手に入れないとね」と語ったチェルシーの21歳MFは、今季プレミアリーグでわずか3試合20分の出場に留まっています。U-21代表監督のアイディ・ボスロイドさんがエクセレントとベタ褒めしたプレイメイカーは、主力を固定して戦うコンテ監督のチームでなければ、クラブの中心選手にステップアップしていたかもしれません。

ロフタス=チークをはじめ、チェルシーでレギュラーの厚い壁に阻まれ、ベンチを温めたり他クラブに修業に出されている選手たちは現在どういう状況にあるのでしょうか。ファーストチームに残った若手選手では、ナサニエル・チャロバーは途中出場ながらプレミアリーグ8試合に顔を出していますが、大みそかのストーク戦以来リーグ戦の出番はなし。オラ・アイナのプレミアリーグは2試合8分、ドミニク・ソランケはゼロ。1月に呼び戻されたムソンダは未だ使われておらず、ボーンマスでの活躍が評価されてチェルシー復帰を果たしたナタン・アケも、ケネディと同様にFAカップで下部リーグのクラブと戦っただけです。国内・海外のクラブに修業に出されている選手はどうでしょうか。2016年9月に、「総勢38人!ユース最強のチェルシーからローンで出された選手たちに希望はあるか?」と題した記事で紹介させていただいたなかで、国内修業の成功組は、チャンピオンシップのクラブで活躍するタミー・アブラハム、ケイシー・パーマー、ルーカス・ピアソン、トマシュ・カラスです。

19歳のアブラハムは、19位に沈むブリストルで33試合20ゴールと孤軍奮闘。ハダースフィールドで10月からスタメンが増えたケイシー・パーマーは、負傷で戦列を離れるまで24試合4ゴールとまずまずの数字を残しています。ハダースフィールドにはロザラムから1月に移ってきたイジー・ブラウンもいるのですが、入団当初は5戦3ゴールと順調だったものの、その後の7試合はノーゴール。フラムに貸し出されたルーカス・ピアソンとトマシュ・カラスのコンビは、カラスが28試合出場、アゴを骨折して療養中のルーカス・ピアソンも22試合5ゴールとチームに貢献しています。

海外で最も成功したのは、ボルシアMGで22試合2ゴールの20歳CBアンドレアス・クリステンセンと、アヤックスで19試合6ゴールの21歳FWベルトラン・トラオレ。フィテッセで26試合9ゴールのルイス・ベイカーと21試合4ゴールのナタン、最終ラインで17試合に出場したミアズガの21歳トリオも順調にキャリアを積んでいます。チェルシーでは信頼を得られなかった22歳のラーマン・ババは、シャルケ04で13試合に出場。アフリカネーションズカップで半月板損傷と前十字じん帯損傷という重傷に見舞われなければ、いいシーズンだったといえたのではないかと思われます。ACミランにレンタルされたパシャリッチは、前年にモナコで29試合7ゴールと既に頭角を現しており、セリエAでも22試合2ゴール。「ミランでプレイできることに満足している」と語るMFは、このままイタリアに残りたいと主張するかもしれません。

欧州の名門でチームの中心として活躍している選手が数多くいるなか、何人がスタンフォード・ブリッジに戻ってくるでしょうか。UEFAユースリーグ連覇、FAユースカップ3連覇を達成し、欧州最強ユースともいわれたチェルシーから出てきた選手が、青いユニフォームに袖を通さないままローン先のクラブに留まったり、プレミアリーグの他クラブで主力に抜擢されるのはもったいないお話です。クリスティアン・アツはニューカッスルに残るのか。クリステンセンはジョン・テリーになれるのか。タミー・アブラハムはロメウ・ルカクのように他クラブでプレミアリーグ得点王クラスにレベルアップするのか。ベルトラン・トラオレ、ルーカス・ピアソン、そしてルベン・ロフタス=チークは…。チェルシーの若手選手たちの成長に期待しつつ、30人以上のレンタルという人材派遣業の未来には、果たしてこれが選手の成長を促す仕組みとして妥当なのかと一抹の不安を覚えるのであります。


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収容人員6万人、総工費700億円!スタンフォード・ブリッジ拡張計画が地元のカウンシルで承認

Chelsea get permission for new expanded Stamford Bridge stadium(チェルシーが、スタンフォード・ブリッジの拡大計画の許可を取得)」。スタジアムの規模でライバルに後れをとっていたプレミアリーグ首位クラブは、5年後にようやく肩を並べることができます。チェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジの収容人数は約41600人。プレミアリーグNo.1のスケールを誇るオールド・トラフォードの76000人、エミレーツとロンドン・オリンピックスタジアムの60000人はもちろん、ニューカッスルのセント・ジェームズ・パークやサンダーランドのスタジアム・オブ・ライトよりも小さいスタジアムです。このたび、イギリスメディア「ガーディアン」が報じたのは、2021-22年に完成するスタジアム改築プランが、ハマースミス&フラム・カウンシルに認められたというニュースです。新スタジアムのキャパシティは6万人強。総工費は5億ポンド(約700億円)です。

新スタジアムのデザインを担当するのは、ヘルツォーク&ド・ムーロン。バイエルン・ミュンヘンのホームグラウンドであるアリアンツ・アレナや、「鳥の巣」という呼称で有名な北京オリンピックスタジアムを手掛けたスイスの建築設計事務所です。彼らがモチーフとしたのは、ロンドンのウェストミンスター寺院で、「チェルシー・ヴィレッジ」として知られている周囲のビルは取り壊され、無数のアーチに囲まれた斬新なデザインのスタジアムが誕生するとのこと。満場一致で計画を承認したハマースミス&フラム・カウンシルのメンバーは、「ハイクオリティなデザイン」「絶対的にゴージャス」と評価。13000の一般席と、9200の企業向けシートが増設され、障害者対象の席も拡大される予定です。

さて、ここまでは景気のいいお話なのですが、サポーターが心配なのは、完成までに3シーズンに渡ってクラブがどこかに間借りしなくてはならないことでしょう。2018年に新しいスタジアムが完成するトッテナムは、ウェンブリー・スタジアムと来季プレミアリーグのグラウンドシェア契約を締結。チェルシーも同じことができればいいのですが、ラグビーの聖地として有名なトゥイッケナム・スタジアムの名前も挙がっており、身の処し方は決まっておりません。今季、チャンピオンズリーグでウェンブリーをホームとしたトッテナムは、勝手が違うスタジアムに戸惑いホーム連敗でグループステージ敗退。オリンピックスタジアムに移転したウェストハムも低調なスタートを切り、主将のノーブルが「ホームグラウンドが変わる影響がこんなに大きいとは想像できなかった」とこぼしていました。歓喜の前に耐えなければならない、長い長い3年間。チェルシーサポーターは、どんな我慢を強いられるのか。クラブは、プレミアリーグで勝ち続けることができるのか。今回の承認を「重要だが、あくまでもステップのひとつ」としたチェルシーは、コスト、パワー、ストレスがまとめてかかってくるこれからが大変です。


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