強かったアーセナル!ラムジーの決勝ゴールで、ヴェンゲル監督は史上最多となる7度めのFAカップ制覇!

プレミアリーグを制したチェルシーのダブルか、アーセナルが史上単独トップとなる13回めの優勝を果たすのか。ヴェンゲル監督は勝てば自身7回めの戴冠となり、こちらも第二次世界大戦前にアストン・ヴィラを率いていたジョージ・ラムジー氏をかわして最多です。クルトワ、アスピリクエタ、ダヴィド・ルイス、ケーヒル、ヴィクター・モーゼス、マルコス・アロンソ、カンテ、マティッチ、ペドロ、ジエゴ・コスタ、アザール。いつもの11人で戦うチェルシーに対して、アーセナルは何とかCBを揃えた苦しいメンバーです。GKオスピナ、メルテザッカー、ホールディング、モンレアルの3バック。サイドにベジェリンとチェンバレン、セントラルMFにジャカとラムジー。エジルとアレクシス・サンチェスの前にはウェルベックです。

立ち上がりから3分間、ずっとパスをまわし続けていたアーセナルは、最初のCKをクルトワにキャッチされた後、すぐに先制ゴールを奪います。左のモンレアルからラムジー、アレクシス・サンチェスとつながり、7番がゴール前に上げたボールはダヴィド・ルイスがヘッドでクリア。このボールを奪ったアレクシスはラインの裏に浮かして自ら走り込むと、右足のアウトにかけてクルトワの脇を抜きました。直前にハンドがあったとセルフジャッジしたダヴィド・ルイスが止まり、オフサイドポジションにいたラムジーがフィニッシュに関与したかどうかが微妙だったシーン。主審のアンソニー・テイラーがラインズマンに確認し、ゴールのジェスチャーを見せるとウェンブリーのスタンドから安堵したような歓声が湧きます。直後のプレミアリーグ王者の反撃は、アザールのFKを叩いたジエゴ・コスタのヘッドがバーの上。14分にアレクシス・サンチェスが放った無回転シュートはクルトワが伸ばした手の上に消えていきます。

アザールが右から持ち込んだ15分のチャンスは、ジエゴ・コスタのシュートをDF陣が寄せてブロック。1分後、アレクシス・サンチェスのスルーパスでエジルが右から抜け出すと、ダヴィド・ルイスが必死に戻ってシュートをカット。こぼれ球を追ったウェルベックとケーヒルの勝負は、CBが制してヒールでクリアします。19分のガナーズのCKは、ウェルベックのヘッドが左のポストにヒット。フォローしたラムジーも角度のないところからポストに当て、2点めは決まりません。

28分、ペドロのロングフィードでホールディングの裏に抜けたジエゴ・コスタがオスピナと1対1になりますが、うまく体を寄せたGKが手に当ててCKに逃れます。31分にカウンターから左に出たウェルベックは、ベジェリンのスルーパスでゴール前に躍り出るもコースを失い、クルトワにクリアされます。アレクシスのFKのクリアをミートしたジャカのボレーは、クルトワがセーブ。一方的に押しているアーセナルは、何度も訪れる決定機を活かせません。41分、アザールからのパスを受けて右からボックスに入ったペドロの一撃は、惜しくも枠の上。アーセナルペースだった前半は、最初の1点だけで終わりました。

後半開始直後は、チェルシーのペース。49分、ペドロがジエゴ・コスタをポストに使い、落としを叩いたカンテのシュートはオスピナがキャッチ。右からドリブルで上がったアザールがグラウンダーを入れると、ジエゴ・コスタはメルテザッカーのスライディングに阻まれます。50分、アレクシスが自陣でカンテに奪われたボールがまたもポスト役のジエゴ・コスタへ。タイミングを計ったエースが右からボックスに入ったヴィクター・モーゼスにラストパスを通すと、フリーの一撃はオスピナが足に当てるビッグセーブで難を逃れます。53分のガナーズのカウンターは、右から縦に突破したベジェリンのクロスがアスピリクエタに触らなかったら決まっていたでしょう。ヴィクター・モーゼスのパスを受けたペドロは、バイタルエリアでフリーでしたが、左隅を狙ったコントロールショットは曲がりすぎました。

61分、コンテ監督がマティッチをセスクに代えると、ずかさずグーナーからブーイング。エジルのスルーパスが左にいたウェルベックに通り、中に入ったボールにベジェリンが走り込んだチャンスは、左を狙ったシュートをクルトワが落ち着いてキャッチしました。68分、ボックス内に入ったヴィクター・モーゼスがチェンバレンと競りながら転倒すると、目の前で見ていたジャカが猛然とダイブをアピール。WBがもらったイエローカードは2枚めで、プレミアリーグ王者は10人での戦いを強いられます。残り時間は20分。チェンバレンがボックス左をえぐった71分のアタックは、アレクシスのシュートがDFにヒットし、最後はチェンバレンがシュートを浮かしてしまいました。

72分、ペドロに代わってウィリアン。チェルシーが追いついたのは77分です。ウィリアンが入れたクロスをジエゴ・コスタがワントラップで叩くと、メルテザッカーの足に触れたボールが左隅に転がり、オスピナは右手を差し出すのが精一杯でした。ヴェンゲル監督がすかさずジルーを投入すると、1分もしないうちにレフティが大きな仕事をします。アレクシス・サンチェスの縦パスで左サイドを突破したジルーの折り返しはパーフェクト。走り込んだラムジーは、確実に頭に当てるだけでした。2-1としたヴェンゲル監督は、83分にチェンバレンをコクラン。ケーヒルに走り勝ったベジェリンのシュートが左に外れると、86分にカンテが浮かしたボールからジエゴ・コスタがトラップでメルテザッカーをかわした決定機は、オスピナが体を張ったビッグセーブで同点を許しません。

88分、ガナーズのカウンター。ジルーのパスで右から上がったエジルが、切り返しでマルコス・アロンソをかわすと、ニアを狙ったシュートはポストを直撃。アーセナルは最後までボールを支配し、チェルシーの反撃を高い位置で食い止めました。4分の追加タイムに何も起こらず、タイムアップを告げるホイッスル。「今日が最後の試合になるかもしれない」と語っていたヴェンゲル監督は、7度めの優勝という偉業にもいつも通り笑顔で小さくガッツポーズを取っただけでした。

強かったアーセナル。メルテザッカーとモンレアルが的確なポジショニングで冷静にチャンスの芽を摘み、ジャカ、ラムジー、アレクシス、エジルのパスワークとベジェリンのスプリントはカンテと3バックを振りまわし続けました。プレミアリーグを制したチェルシーは、優勝が決まった直後から「ありがとうテリー!」とお祭りモードに突入し、緩んだテンションを上げられなかったのかもしれません。一度もマイボールにできないままアレクシス・サンチェスに先制を許した立ち上がりは、高い集中力で勝ち続けたあの強いチームではありませんでした。

ウェンブリーには「Wenger In!」の横断幕。アーセナルの指揮官は、直近4年で3度めとなる伝統のカップ戦のトロフィーを置き土産に、21年愛し続けたクラブに別れを告げるのでしょうか。2016-17シーズンの全日程が終わったのを見届けた後には、素晴らしいサッカーを見せてくれた勝者が残した晴れやかさと、稀代のマネージャーのラストスタンドを見たのかもしれないというせつない気分が交錯します。何かが決まったわけではありませんが、今、言葉にして残しておかなければならないような気がします。「ありがとう、アーセン・ヴェンゲル。あなたが築き上げたアーセナルは、いつも私たちを楽しませてくれた」と。


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最後はアレクシス!執拗に相手を追い続けた3バックのアーセナルが、逆転でFAカップ決勝進出!

プレミアリーグとFAカップのダブルを狙うチェルシーと戦うファイナルに進出するのは、アーセナルかマンチェスター・シティか。過去3年のプレミアリーグでは2勝3分1敗とアーセナルがリード。自陣に引いて相手の攻撃を受け止め、カウンターを仕掛ける戦術でヴェンゲル監督のチームは2勝を挙げています。アーセナルが勝てば、直近4年で3回めのファイナル進出。プレミアリーグ優勝が厳しくなったペップ・グアルディオラとしては、サイドの攻防を制して初のタイトルにリーチをかけたい一戦です。

さっそく両チームのスタメンを見てみましょう。アーセナルのGKはチェフ。最終ラインはミドルズブラ戦同様、ホールディング、コシールニー、ガブリエウの3バックです。ジャカとラムジーがセントラルに入り、WBにはチェンバレンとモンレアル。エジルとアレクシス・サンチェスの前にオリヴィエ・ジルーが入ります。このところ、ブラボがゴールマウスに戻っているマン・シティは、ヘスス・ナバス、コンパニ、オタメンディ、クリシーの4バック。ヤヤ・トゥレとフェルナンジーニョが中央を締め、ダヴィド・シルヴァ、デブライネ、サネが2列め。トップはプレミアリーグで5戦連続ゴールと好調のセルヒオ・アグエロです。

静かに立ち上がったゲームは、3分のデブライネのミドルシュートを合図に、マンチェスター・シティがペースをつかみます。9分、敵陣で奪ったボールがダヴィド・シルヴァに渡ると、すかさずアグエロをラインの裏に走らせるスルーパス。コシールニーがかろうじて足に当てますが、執拗なプレスに悩まされているガナーズは、ビルドアップでのパスミスに気をつけなければなりません。15分にチェンバレンのクロスをジルーが頭で狙うと、直後にアグエロが浮かしたボールを叩いたダヴィド・シルヴァのヘッドはチェフがセーブ。ヘスス・ナバスがしばしば右サイドでフリーになるのは、CB3枚のウィークポイントです。23分、右足を痛めたダヴィド・シルヴァが無念のリタイア。スターリングが右に入ったペップ・シティは、4-3-3にシフトしたようです。

26分、デブライネが蹴ったFKをヤヤ・トゥレが頭で折り返すと、クリアをダイレクトで叩いたスターリングのボレーは左にアウト。アーセナルの選手たちは全員自陣にこもって相手にボールを持たせ、ひたすらスペースを消しています。38分、スターリングのパスを受けたアグエロが、モンレアルを一瞬かわしてシュートを放つも右に外れます。40分にアグエロのボレーが決まったかに見えたシーンは、直前のサネのクロスがラインを割っていたというジャッジ。大半の時間を守って過ごし、セットプレー以外に攻める手立てがなかったアーセナルは、シュート1本で前半を終えました。ジャカとラムジーがミドルレンジのスペースをつぶす5-4-1を、マン・シティがどう崩すかが後半の見どころのひとつです。

50分にデブライネが蹴ったCKは、オタメンディのヘッドが左に外れます。攻めるマン・シティと受けるアーセナルという図式は後半も続きそうです。53分にボックス左でFKを得たアーセナルは、アレクシス・サンチェスが転がしたボールをジャカがダイレクトで狙うも、DFに当たって枠に届きません。サイドから仕掛けるサネが中に折り返してもガナーズの中央は厚く、フィニッシュははね返されてしまいます。

均衡が崩れたのは62分、マンチェスター・シティのゴールはカウンターでした。ラムジーの強引なドリブルはヤヤの餌食となり、縦パス1本で抜け出したアグエロがチェフとの1対1を制しました。アグエロが長く出した最初のタッチでダッシュしていれば、チェフは体に当てられたのではないでしょうか。反撃に出たアーセナルは64分、アレクシス・サンチェス、ジャカとつながった左からのボールをエジルが左足で狙いますが、惜しくも右のポストぎりぎりに外れます。アーセナルが追いついたのは72分。右サイドで孤軍奮闘していたチェンバレンが、完璧なクロスをファーサイドに通しました。右足を突き出し、ブラボの脇を抜いたのはモンレアル!形勢はイーブン、勝負の行方はまったくわからなくなりました。

79分、ボックスの外にこぼれてきたボールをヤヤ・トゥレが体をひねってボレー。チェフの指先を抜けたボールはサイドネットに吸い込まれるかと思いきや、左のポストに阻まれます。81分に右サイドから抜け出したエジルは、切り返しをカットされてフィニッシュに持ち込めません。1分後、左からのCKにフリーのフェルナンジーニョが頭を突き出すと、今度はクロスバーにヒット。ヴェンゲル監督はジルーを諦め、ウェルベックを投入します。85分、アグエロのスルーパスでボックス左から抜け出しかけたサネは、ガブリエウがストップ。直後に右から仕掛けてオタメンディを抜き去ったウェルベックは右足のシュートを巻いてしまい、ボールはポストの外へ逃げていきます。両者譲らず、勝負は延長戦に持ち込まれました。

おお、ガナーズはアレクシス・サンチェスがトップ、ウェルベックが左にスイッチしています。ウェルベックが右サイドを崩した95分のチャンスは、グラウンダーのこぼれ球をアレクシスが拾うもDFにぶつけてCK。エジルのキックにニアで合わせたホールディングのヘッドはバーすれすれを越えていきます。ペップは99分に2枚代えを敢行。アグエロとフェルナンジーニョが下がり、デルフとフェルナンドで劣勢の中盤を修正します。しかし指揮官の采配虚しく、この1分後にアーセナルが勝ち越しゴールを決めました。左からのエジルのFKをコシールニーが頭で折り返すと、ウェルベックが触ったボールがアレクシス・サンチェスの足元へ。今季プレミアリーグ18ゴールのストライカーは、こういうチャンスは外しません。右足のシュートがコンパニの股間を抜いてネットに突き刺さり、グーナーの歓声が聖地ウェンブリーにこだまします。

チェンバレンがベジェリンに代わって間もなく、試合は延長後半に突入します。世界に先駆けてFAカップが導入した「延長戦に入れば4人めの交代OK」のルールに則り、ペップはスターリングをイヘアナチョにチェンジします。108分のヤヤ・トゥレの直接FKは壁がブロック。110分に3対2の形を創ったマンチェスター・シティは、デブライネのラストパスが左のデルフに通るも、シュートを相手に当ててしまいスコアを動かせません。114分、右に流れて縦パスを受けたデブライネがクロスに放つと、チェフが触れなかったボールは逆のポストの外。右サイドから再三仕掛けるガナーズのカウンターは、エジルやベジェリンがボックスに入ったところで捕まります。119分、エジルに代わってコクラン。アーセナルの走力は最後まで落ちませんでした。タイムアップの笛が鳴ると、ヴェンゲル監督は会心のガッツポーズ。アーセナルが逆転勝利で2年ぶりのファイナル進出を決めました。

最大の勝因は、3人のCBとモンレアル、チェンバレン、ジャカがマッチアップした相手をしつこく追い続けたこと。カウンターやセットプレーで危ないシーンはあったものの、ほとんどのシュートシーンでDF陣がコースを切っており、シュートを20本放ったマン・シティは3つしか枠内に飛ばせませんでした。MVPを選べといわれれば、右サイドで攻守に奮闘したチェンバレンです。同点ゴールを呼んだクロスは完璧。彼の存在がしばしばクリシーにオーバーラップを思いとどまらせ、危険なサネに単独のドリブルしか許さず戦い抜けたのだと思います。

決勝は、ビッグロンドンダービーとなりました。アーセナルは攻めるのか、あるいは今日のように引いてアザールとペドロの進路をつぶすのか。マンチェスター・シティに効果てきめんなこの戦い方を、チェルシーにぶつけてみるのもいいかもしれません。プレミアリーグのボロ戦とは見違えるようによくなった3バック、いや「5-4-1」を崩せといわれれば、本家のコンテ監督のチームも苦しむでしょう。注目の試合は5月27日、舞台はもちろん聖地ウェンブリーです。


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FK、PK、CK、スーパーミドル!少ないチャンスを活かしたチェルシーがスパーズを振り切り決勝進出!

ジエゴ・コスタもアザールもいないチェルシーと、ほぼベストメンバーのトッテナム。プレミアリーグの1位と2位で争うFAカップ準決勝は、ミッドウィークのサウサンプトン戦を気にしたコンテ監督がメンバーを落としてきました。GKは負傷が癒えたクルトワ、3バックにアスピリクエタ、ダヴィド・ルイス、ナタン・アケ。WBにマルコス・アロンソとヴィクター・モーゼス、セントラルにはカンテとマティッチ。前線はペドロ、バチュアイ、ウィリアンです。年明けのプレミアリーグでチェルシーに勝っているポチェッティーノ監督は、GKロリスの前にアルデルヴァイレルト、フェルトンゲン、エリック・ダイアーの3枚を配置。サイドにトリッピアーとソン・フンミン、中にワニャマとデンベレ。エリクセンとデル・アリの前にハリー・ケインという布陣です。

試合は、いきなり5分に動きました。ボックス手前やや左からのFK、キッカーはウィリアン。壁をぎりぎりで越えて右隅に飛んだキックに、ロリスは触れませんでした。8分には、敵陣深くまで追ったカンテがインターセプトに成功し、右から突破。白い3バックが必死に戻り、何とかシュートを打たせず切り抜けたものの危ないシーンでした。早い時間に追いつきたいスパーズですが、前から厳しくプレスをかけてくるチェルシーに自由を奪われています。カンテは15分にも右から素晴らしいクロスを上げ、ノーマークのバチュアイがヘディングシュート。これはロリスが左に飛んでキャッチしますが、今までのウェンブリーと同じように、スパーズ守備陣は落ち着きを欠いているように見えます。

しかし17分、エースの素晴らしい一撃でスパーズが同点に追いつきました。右からのCKのクリアがソン・フンミン、トリッピアーとつながると、エリクセンが左足で入れた低いクロスをハリー・ケインが驚愕のバックヘッド!左のサイドネットに向かったボールに、クルトワの右手は届きません。1-1のイーブンになると、スパーズがボールを支配。ソン・フンミンやデル・アリの左サイドからの仕掛けで、ヴィクター・モーゼスは引かされています。チェルシーの最終ラインはスパーズのラストパスを落ち着いてさばきながらも、縦に入れたボールをことごとく奪取され、いい形でハーフラインを越えられません。36分、フェルトンゲンのクロスにエリック・ダイアーが飛び込んで頭でコースを変えますが、惜しくも右にアウト。40分にはデル・アリが敵陣でインターセプトに成功し、右でボールを受けたエリクセンがミドルを放つとクルトワの正面です。

ほとんどチャンスがなかったプレミアリーグ首位チームが、幸運なゴールをものにしたのは42分でした。カンテが右のヴィクター・モーゼスを走らせたボールに対して、明らかに触れないのにスライディングしたソン・フンミンは不用意でした。サイドアタッカーは7番の足に引っかかり、PKを示すホイッスル。ロリスの動きをぎりぎりまで見たウィリアンが逆を突き、前半は2-1で終わりました。圧倒的に押しながら、リードを許したトッテナム。チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグで4戦1勝の鬼門ウェンブリーでは、試合運びのまずさが目立ちます。

後半も、サイドで優位に立つトッテナムのペース。52分の同点ゴールは、エリクセンのエクセレントなプレイで決まりました。左足でゴール前に入れたロングフィードは、ラインの裏に走り込んだデル・アリにぴったり。プレミアリーグ16ゴールのプレーメイカーがきれいに合わせた左足のハーフボレーに、クルトワはなす術がありません。時折チェルシーが仕掛けるカウンターは、フィニッシュに持ち込めず。デンベレやデル・アリのミドルシュートは、チェルシーの最終ラインがコースを切って枠を外させています。

61分、コンテ監督が勝負に出ました。バチュアイとウィリアンが下がり、ジエゴ・コスタとアザールが登場。アザールが気になったのか、あるいは攻撃的な意図か、ポチェッティーノ監督は68分にカイル・ウォーカーを投入し、ソン・フンミンがいた左にトリッピアーをまわします。圧倒的なスパーズの時間。アザールのドリブルをカットしたかと思えば、中盤で左右にボールを散らすデンベレは、2人いるかのような運動量です。

ところが75分、勝ち越したのはまたもチェルシーでした。右からのCKをカイル・ウォーカーがクリアすると、ボックスの外でトラップしたアザールの視界に、右のサイドネットへのコースがまっすぐ空いていました。左足一閃、誰も触れず3-2!これでエンジンがかかったアザールは、ペドロと代わったセスクとのコンビで決定的な4点めを演出します。ゴールライン際に走り込んだセスクとのワンツーで中に入ったアザールが後ろに戻すと、ダイレクトで左足を振り抜いたマティッチの一撃にロリスは全く動けず。バーの下を叩いたスーパーゴールにウェンブリーは騒然としています。

アザールは、この後もスパーズ守備陣を翻弄します。84分に左からロリスを抜き去った決定機は、グラウンダーをもらったマルコス・アロンソのダイレクトショットをアルデルヴァイレルトがかろうじてブロック。86分にアザールのパスを受けたセスクが右から浮かすと、フリーで叩きつけたジエゴ・コスタのヘッドは右に逸れていきます。追加タイムにハリー・ケインが狙った直接FKは、クルトワがファンブルして後ろにこぼすもバックスピンがかかったボールはラインの手前で止まります。

4-2、終わってみればチェルシー完勝。トッテナムが押している時間が長かっただけに、4失点の守備陣を咎めたくなるものの、ソン・フンミンの判断ミス以外はどのシュートもなかなか見られないスーパーショットばかり。2度まで追いついて試合をおもしろくした敗者のゴールも、いずれもチェルシー守備陣を責めるのが酷な素晴らしいシュートでした。プレミアリーグ7連勝で4差に迫ってきたライバルをつぶしたこの勝利は、チェルシーにとっては大きいでしょう。スパーズの久しぶりの敗戦が単なる1敗か、あるいは勢いと自信までくじかれた惨敗かは、ミッドウィークのクリスタル・パレス戦と日曜日のノースロンドンダービーで明らかになります。いやいや、とにかくおもしろい一戦でした。チェルシーサポーターのみなさま、ファイナル進出おめでとうございます!(ネマニャ・マティッチ 写真著作者/Aleksandr Osipov)


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ウィリアム・ヒルの本命はチェルシー、対抗はマン・シティ。FAカップ2016-17優勝予想!

今週末は、プレミアリーグ34節の6試合とFAカップ準決勝が並行して開催されるエキサイティングなスケジュールです。今季のFAカップは、近年にないトップクラブのガチンコ対決。土曜日にチェルシーVSトッテナムの「プレミアリーグ優勝候補バトル」、日曜日にはアーセナルとマンチェスター・シティがウェンブリーで鎬を削ります。タイトルを争う4つのクラブを尻目に、土曜日のプレミアリーグはウェストハムの本拠地ロンドンスタジアムにエヴァートンが乗り込み、翌日はリヴァプールVSクリスタル・パレスとバーンリーVSマンチェスター・ユナイテッド。3位リヴァプールと5位マンチェスター・ユナイテッドにとっては、ここでつまずくとチャンピオンズリーグ出場権が遠のく必勝のゲームです。

リヴァプールは、2013-14シーズンに3点差を追いつかれて優勝を諦めさせられたクリスタル・パレスには絶対に勝ちたいでしょう。ルイス・スアレスの号泣を今も忘れられないというサポーターも多いのではないでしょうか。年明けからの7戦で1勝3分3敗と崩れて優勝争いから脱落したレッズは、その後の7戦を5勝2分と完全復活。ララナ、ヘンダーソン、マネを欠きながらも、オリギやルーカス・レイヴァが代役を無難にこなし、ミニョレのビッグセーブ連発も相まってボーンマス戦以外は納得の着地で3位に近づいています。

片やマンチェスター・ユナイテッドは、プレミアリーグ22戦負けなしという記録を継続中。素晴らしいのは、この間2失点以上が1度もないことで、いかにもモウリーニョ監督のチームらしい守備力をベースにマンチェスター・シティの背中を捉えています。バーンリーは、10月のオールド・トラフォードで37本に及ぶシュートの雨を降らせながらスコアレスドローに持ち込まれた忌まわしい相手です。この試合における守護神ヒートンの11セーブは、プレミアリーグタイ記録。ホームで滅法強い彼らに守備で粘られれば、13回めのドローという結果に終わるかもしれません。レッズ戦ともども、ブックメーカーで賭けるなら強者の勝利としたいところですが、降格回避ラインといわれる勝ち点40に届いていないチームをこの時期に侮ることはできません。

さて、ブックメーカーといえば、FAカップのオッズも気になります。ウィリアム・ヒルをのぞいてみると、本命はチェルシーで2.87倍、対抗はマンチェスター・シティの3.25倍、トッテナムは3番手で4倍。最近のプレミアリーグにおける不振を懸念されたのか、アーセナルは5.5倍と思わずベットしたくなる高い数字がついています。コンテ、ペップ、ポチェッティーノの3人は、勝てば初優勝。アーセナルが制覇すれば2年ぶり13回めとなり、マンチェスター・ユナイテッドをかわして優勝回数で単独トップに躍り出ます。さて、勝つのはどこでしょうか。最近の調子やプレミアリーグとの兼ね合いなど、どこをどう切り取ってもトッテナムが有利に見えます。1点の曇りを除けば、ですが…。

プレミアリーグで2位に勝ち点4差まで詰め寄られたチェルシーは、土曜日のウェンブリーから中2日でサウサンプトン戦とタイトなスケジュール。中3日でクリスタル・パレスと当たるスパーズと比べると、より後ろが気になります。木曜日にマンチェスターダービーが控えるペップのチームも、時折見せる淡泊な試合運びで大会を去るかもしれません。複数の選手が食中毒を起こしたと報じられ、マンチェスター・ユナイテッドにあっさり敗れたばかりのチェルシーと、起用する選手によってクオリティが変わりやすいマンチェスター・シティが、勢いがあるスパーズとこの大会の勝ち方を知っているガナーズにやられる可能性は充分にあると思います。オッズ通りなら青系のファイナルですが、穴狙いの私としては、観てみたいという願望も込めてFAカップ決勝では初となるノースロンドンダービー実現と予想します。

そうなると、決勝は…。トッテナムがプレミアリーグで逆転優勝を決めていれば余勢をかってダブル。チェルシーに及ばなければ、若い選手たちの燃え尽き症候群に加えてCLやELで負け続けたトラウマがあるウェンブリーという要素が重なり、ガナーズの勝ちという予想はいかがでしょうか。一発勝負ですので、何が起こるかわからないのは承知のうえですが、プレミアリーグの結果とFAカップがリンクするような気がしてなりません。それぞれを1点で予想しろといわれれば、プレミアリーグはチェルシー、FAカップはアーセナルです。好材料が揃うトッテナムは、ウェンブリーという場が気になって仕方がありません。

それぞれのクラブを応援しているみなさんは、もちろんわがクラブの優勝と胸を張るのだと思われますが(昨季は私もそうでした)、自腹でいくばくかのお金をウィリアム・ヒルに投じると考えると、違う答えになる方もいるでしょう。4択というクイズ番組のような設定で愉しめる今、優勝チームを宣言しておいて、後で答え合わせをするのもおもしろいのではないでしょうか。ファイナルアンサー…やはりFAカップは、5.5倍のアーセナルでお願いします。


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ものづくり
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サッカー観戦
自己紹介:
プレミアリーグがとりわけ好きなのは間違いありませんが、セリエA、ブンデスリーガ、リーガエスパニョーラはもちろん、Jリーグ、なでしこリーグ、高校サッカーまで、サッカーなら何でも観ます。今年、特に活躍を期待している選手はウェイン・ルーニー、ダヴィド・デ・ヘア、大前元紀、香川真司、吉田麻也、本田圭祐、楢本光、岩渕真奈、田中陽子です。

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