香川真司のプレミアリーグ1年め (2)6ゴールに見る香川の強み

香川真司のプレミアリーグ1年め総括、第2回は「今季の彼のゴールシーンからあらためてその強みをあぶり出そう」という試みです。いい動画がありましたので、久しぶりにリンクでも。



さて、私は香川真司の強みを「狭いスペースを使えること」「トラップしてから次のプレイに移るまでが早いこと」「タイミングをずらしたりシュートに緩急をつけたり、”時間と速度を操れる”こと」「キックが多彩で、枠を外さないこと」だと捉えています。今季のプレミアリーグで、彼のプレイはすべて観ましたが、ゴール前、一瞬でもフリーになれたチャンスでシュートを完全に枠から外したシーンは1回しかありませんでした。シーズンを通じてシュートの本数が少なく、6ゴール「しか」決められなかったのは、香川がいけると思う状況で周囲がいけると判断できず、香川にパスが出なかったことが原因です。

では、最初のゴールからひとつひとつ振り返りましょうか。

■1点め/8月25日 マンチェスター・ユナイテッド3-2フラム 35分:ミドルシュートのこぼれを右足

記念すべきプレミアリーグ初ゴールは、ミドルシュートをGKが弾いたところを詰めた1点。ゴール前でフリーになれるポジションにおり、ボールがこぼれたときに冷静にGKのポジションをみたことが得点につながりました。「ゴール前で慌てない」「頭の回転がよく、次のプレイの選択が早い」のも香川真司の特徴です。10月末に負傷する前は、中盤の底まで下がるシーンは少なく、ゴール前に積極的に出ていってましたね。この頃にもう2~3ゴール決められていれば、かなり状況は変わっていたのですが、香川のよさを周囲がつかむ前にケガをしたこともあり、連携がとれるようになるまでにかなり時間がかかってしまいました。

■2点め/9月25日 マンチェスター・ユナイテッド2-3トッテナム 53分:裏へ抜け出し左足

これぞ香川、というゴールです。今シーズンのパーソナルベストでしょう。ファン・ペルシが中盤に下がってボールを受けた時、彼からパスが通せるコースがあり、ディフェンスから自由になれるポジションにわずかに動き、パスがでると、最初のタッチでDFの足が届かないところにボールを置き、GKの飛び出しを見てここしかないというコースにシュート。右のサイドネットを揺らしました。角度と速度をすべて見切った、まるでオールド・トラフォードを上空から見て図面を引いたような極上のプランニングと、わずか2秒、3タッチをすべて最高の場所に持っていったクレバーなゴール。こういうプレイを香川真司並みにうまくできる選手は、ヨーロッパじゅうを探しても両手で足りるぐらいの数しかいないでしょう。

■3点め/3月2日  マンチェスター・ユナイテッド4-0ノーウィッチ 45分:クロスのこぼれを右足

アジア人初のハットトリックの第一楽章は、右からのクロスをファン・ペルシがコントロールしそこなたこぼれ球から。自分の前に落ちてきたボールを、GKとゴールポストのわずかなすき間めがけて、右足アウトで流し込んだテクニカルな一発でした。よく、「シュートは、ゴールにパスを出すように蹴れ」などといいますが、ゴール前、至近距離で実際に球を持つと、ついつい力んでしまい、GKの正面に思いっきり蹴ったりシュートをダフって逆サイドのポストの脇に外したりしがちです。香川のよさである「キックが多彩で、枠を外さないこと」が活きたゴールですね。あの場面で瞬時に右足アウトを選べるFWはそうそういないでしょう。GKは完全に逆をつかれ、反応できませんでした。

■4点め/3月2日  マンチェスター・ユナイテッド4-0ノーウィッチ 76分:ルーニーの落としを右足

この日2点めとなったこのゴールもクレバー。右からルーニーが突破し、香川の走り込みをみて優しくインサイドでパスを出すと、中央でフリーだった香川真司は、ゴール前にいるDFとGKを見てほんのわずかにシュートのタイミングを遅らせます。この動きにつられたGKとDFが左に重心を入れたのをみて、逆の右隅にパスを出すかのような柔らかいインサイドキック。ボールは誰もいないコースをゆっくり転がってゴールに吸い込まれました。「タイミングをずらしたりシュートに緩急をつけたり、”時間と速度を操れる”」香川らしい玄人好みの落ち着いたプレイでした。

■5点め/3月2日  マンチェスター・ユナイテッド4-0ノーウィッチ 87分:横パスから抜け出し右足

ハットトリック達成、仕上げのゴールは、DFを置き去りにするたった一発のトラップで決まりました。ウェルベックがドリブルからルーニーに渡すと、香川はDFがルーニーに寄せにいったために誰もいなくなったコースに走り込みます。ルーニーが足元に出した横パスを、香川はワンタッチで縦に抜け出し、この一瞬のスピードアップでノーウィッチのDFは完全に置き去りにされます。心憎いことに、このトラップはGKが飛び出しても香川が先に触れる絶妙な長さ。1対1の状況を作られたGKは前に出てコースを押さえるしかありませんが、サイドのコースをカットされても上がある、とばかりにGKの鼻先でチップキック。チームメイトがその実力を思い知ることになった歴史的なゴールは、香川真司の速度計算と空間設計能力の高さから生まれたのでした。

■6点め/5月19日 WBA5-5マンチェスター・ユナイテッド 6分:右からのクロスをヘッド

今季最終戦、サー・アレックス・ファーガソン監督とポール・スコールズに捧げるメモリアルゴールは、香川には珍しいヘディングシュート。これは、打った香川より、ピンポイントのクロスを決めたチチャリートをほめるべきかもしれません。ひとつだけいうならば「最高のタイミングでDFの前に入り込めば、身長など関係ない」ことをあらためて証明した、小柄な選手ならではのヘディングシュートでした。ヘディングはGKの足元に叩きつけろ、という基本に忠実な一発です。

香川真司は、DFが複数いる狭いスペースでも、一瞬コースができればパスもシュートも通せると考えているので、あえてDFとDFの間にポジションをとってボールを要求します。しかし、「DFのいないスペースにパスを出す」という戦い方を徹底してきたマンチェスター・ユナイテッドにおいては、この状況でも出すのはマイケル・キャリックだけでした。また、DFの裏に抜けるときも、トラップからのプレイが速い香川は足元に出してほしいのですが、オープンスペースに走らせることに慣れたこのチームの攻撃陣が速いパスを走らせてしまい、チャンスをつぶすこともしばしばありました。香川がほしい足元への柔らかいパスを出し続けたのはウェイン・ルーニーただひとり。シーズン終盤になって、ようやくファン・ペルシやチチャリート、ギグスからスルーパスが出るようにはなってきたので、来季、意思疎通のレベルが上がれば、今季の倍はゴールシーンが増えるでしょう。

次回は、1年めで見えてきた香川真司の課題について触れたいと思います。
香川真司のプレミアリーグ1年め (3)香川はなぜ、チェルシーと戦えなかったのか? に続く


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