「BBC」が分析!「コウチーニョを失ったリヴァプールは、なぜ得点力が上がったのか!?」

チャンピオンズリーグ準決勝ファーストレグのプレミアリーグVSセリエA対決は、アウェイで弱いローマがリヴァプールの3トップに5点を奪われる衝撃的な結果となりました。ラウンド16のシャフタル・ドネツク戦では敵地で2-1と敗れ、ベスト8の初戦でもバルサに4-1で敗れていたとはいえ、カンプ・ノウで喫した4発のうち2つはオウンゴールです。コラロフのサイドを完璧に崩され、サラーとフィルミーノを自由にしてしまったアンフィールドのゲームは、惨敗というしかありません。地元ローマでバルサに3-0で完勝し、奇跡的な逆転突破を実現したイタリアのクラブは、5-2で敗れたプレミアリーグの名門クラブにも3点差で勝つことができるのでしょうか。

「わがチームに、ローマは諦めたと考えている選手がいるなら、彼は次戦に出られないだろう」とチームを引き締めにかかるクロップ監督は、「今夜の試合で私が学んだのは、セカンドレグでも彼らを倒せるということだ」ともコメントしており、守りに入るという選択肢はないようです。ローマにしてみれば、バルサ戦のように3バックで中盤を厚くし、プレッシングで勝とうとすればサラーやマネへのチェックが緩くなり、後ろを増やせば速攻につながる縦パスのコースを切りづらくなります。初戦のサイドにおける完敗を見る限り、ディ・フランチェスコ監督のチームがレッズをゼロに抑えるのは難しそうです。クロップ監督と選手たちが攻撃的なスタイルを貫ければ、ファイナルに進出するのはレッズでしょう。

前説が長くなりました。本題に入りましょう。プレミアリーグでCL出場権獲得を目前にし、欧州でもファイナル進出にあと一歩と迫ったリヴァプールについて、「BBC」が興味深いレポートを掲載しています。「How Reds have adapted since selling Philippe Coutinho(レッズは、フィリペ・コウチーニョを売却してからどう適応してきたのか)」。地元出身のザ・ビートルズになぞらえ「Fab4(ファビュラスな4人)」と称されたサラー、フィルミーノ、コウチーニョ、マネから、1月に10番が抜けたのはショッキングでした。バルサでは今季のCLに出られないコウチーニョは、夏までは残ってくれると思っていたサポーターも多かったのではないかと思われます。プレミアリーグ2017-18シーズンは14試合7ゴール、チャンスメイク40回と6アシストは前半戦のチームNo.1。これだけの選手がいなくなれば、攻撃力が落ちるのが当然です。

ところが実際は、レッズの得点力はUPしています。「Feb4」が「Three red arrows」に変わった1月以降のプレミアリーグ14試合で32ゴールを挙げており、1試合あたりのゴール数は2.29。コウチーニョがいた14試合は2.14ですが、いなかった21試合を通算すると50ゴールで2.38となり、どこをどう取っても痛手は感じられません。これに関して、「BBC」もおもしろいデータを紹介しています。2016-17シーズンのフィルミーノ、コウチーニョ、マネが66回のチャンスメイクで10ゴールだったのに対して、今季プレミアリーグにおけるフィルミーノ、サラー、マネは71回のチャンスで17ゴール。10番を失った3本の矢は、むしろ決定力を高めているのです。

これについて「BBC」は、「コウチーニョはドリブルが多く、キープ力があったために、チームを減速させる傾向があった」「ボックス外からのシュートの25%をコウチーニョが放っており、自ら打ちたがることが決定機創出を妨げることがあった」と分析しています。彼がバルサに移籍した後、ボックスの外からのシュートが1試合あたり7.1本から6本に減った一方で、ショットコンバージョンは17.4%から21.6%に向上。「現在の3人のMFは、素早く3トップに渡しており、前線も決定的な形をより多く創っている」「コウチーニョは守備に難があり、現在の3トップの方がプレスが巧みである」。記事でアナライズを担当したレッズOBのスティーブン・ワーノック氏は、「エティハドで、リバプールがマンチェスター・シティを倒すのを観たが、3人のFWが6人のシティのプレーヤーを押し込んでいるシーンがあった」とも付け加えています。

これを受けて、中盤の選手を中心にさまざまなデータをチェックしてみました。クロップ采配において最も秀逸なのは、「ミルナー起用法」です。中盤に流動性をもたらし、シンプルに前線につなげるベテランMFは、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントはフルタイム出場。2月以降のプレミアリーグでは、ルールを決めたかのように先発と途中出場を繰り返しています。ルーニーやネイマールを超える史上最多となるCL年間9アシストを記録したMFを、フレッシュな状態で起用できているのが、欧州におけるゴール量産の原動力になっているのではないでしょうか。

ララナとエムレ・ジャンを失う厳しい状態のなかでも、プレミアリーグとCLを両立させてきたクロップ監督をあらためてリスペクトしながら、心の中で祈っています。「どうか最後までもってください。レアル・マドリードと激突するであろう決勝で、最高のレッズを観られますように…!」。ミルナー以上に前線をうまく動かしている試合が多かったチェンバレンのリタイアは、コウチーニョ以上に激痛なのかもしれないと思いつつ…。(ユルゲン・クロップ 写真著作者/Дмитрий Голубович)

※「Sportie」に、「ペップも粉砕!ユルゲン・クロップがリヴァプールにもたらした5つの変化」と題したレッズのレポートを寄稿させていただきました。併せてお読みいただければ幸いです。


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ゴールは多いが勝ち点は…!? 「BBC」がアンフィールド50試合のクロップを総括!

「ユルゲン・クロップは、彼のチームが”ヘヴィ・メタルサッカー”をするのが好きだといっていた。プレミアリーグにおける彼の50回めのホームゲームは、ワトフォードをボコボコにして5-0大勝。この数字は、ドイツ人がアイアン・メイデンのコンサートよりも多くのエンターテインメントをアンフィールドにもたらしていることを示している」。イギリスメディア「BBC」は、ユルゲン・クロップ監督のチームがアンフィールドでいかにゴールを奪っているかを紹介しています。ラファエル・ベニテス時代の最初の50試合は1試合平均1.76。ブレンダン・ロジャースは2.06で、2015年10月にプレミアリーグにやってきたクロップ監督は2.22。「BBC」がいうとおり、クロップ監督になってからのレッズのサポーターは、1枚のチケットでより多くの歓喜を手に入れていることになります。

ゴールを目撃することが最大の価値であれば、クロップバンザイなのですが、「BBC」はこんなデータも紹介しています。勝利数を見ると、ベニテスの37、ロジャースの30と比べてクロップは28と最も低い…。なるほど。ちなみに昨季プレミアリーグのリヴァプ―ルは、アンフィールドでは12勝5分2敗で5位。17勝2分という圧倒的な強さを誇ったトッテナムに勝ち点で12も離され、17勝2敗だったチェルシーに加えてアーセナルとエヴァートンにも上にいかれています。今季のレッズはここまでホーム無敗ではあるのですが、首位マンチェスター・シティの14勝1分に対して10勝6分と勝ち切れず。バーンリー、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、エヴァートン、WBA、トッテナムと、堅守速攻のチームやベタ引きのチームを崩せず、ドローに持ち込まれる試合が目立っています。

マンチェスター・シティはホーム15試合で51ゴール10失点、レッズは16試合で38ゴール10失点。敵地ではプレミアリーグ首位チームが34ゴール10失点で、3位チームはアウェイ最多の35ゴール&リーグ10位の24失点。アンフィールドで引かれたときのオプションを獲得し、敵地でよそ行きのフットボールに陥り失点を重ねる癖を改善できれば、レッズは首位に迫れるでしょう。

ライバルクラブを見てみると、マンチェスター・ユナイテッドはホームで7失点しかしておらず、マン・シティに次ぐ12勝を挙げているのが2位に上がった原動力。スパーズ、レッズ、マン・ユナイテッドはアウェイゲームで8勝3分4敗で並んでおり、ホームにおける取りこぼしの数で順位が決まっています。アーセナルが敵地で3勝4分8敗と信じられない戦績になっているのは、リーダーシップ不在の証なのではないでしょうか。ホームでは11勝2分2敗でレッズと1ポイント差の4位に食い込んでいるだけに、ボーンマスやワトフォードを下回るアウェイの不振が悔やまれます。

プレミアリーグ再開まであと3日。セルハースト・パークでクリスタル・パレスと当たるリヴァプールは、ベンテケへのハイボールでずるずる引かされることなく、敵陣で奪ういつものサッカーでチャンピオンズリーグ出場権獲得の足場を固めていただければと思います。


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「ファンタスティックな時間だ!」…クロップとジェラードの師弟関係がアツい!

「スカイスポーツ」は、指揮官を主語にして「Liverpool boss Jurgen Klopp gives Steven Gerrard coaching tips(リヴァプールのボス、ユルゲン・クロップはスティーヴン・ジェラードにコーチングのヒントを与える)」。レッズの地元紙「リヴァプール・エコー」は、クラブのレジェンドを主人公に据えて、ユルゲン・クロップに授かったアドバイスや「ベニテスやロジャースらに謝りたい」という彼のコメントを紹介しています。今季、レッズのユースチームの監督に就任し、指導者としての第一歩を踏み出したジェラードは、プレミアリーグのU-18テーブルで3位に食い込み、U-19の選手たちをUEFAユースリーグ準々決勝に導きました。彼が順風満帆なスタートを切れたのは、プレミアリーグにゲーゲン・プレッシングを持ち込んだ名指揮官のアドバイスがあったからだそうです。「リヴァプール・エコー」より、自らの近況とコーチ業について語るレジェンドの肉声を紹介しましょう。

「電話したりメールを送ったり、あるいはメルウッドに足を運んだりして、幾度となく彼に教えを乞うている。彼はメディアにも、私を手助けするためのドアはいつでも開いているといっているだろう?それは砂金のように貴重なものだ」「私が取り組んでいることに対して、彼は明らかに私よりも経験豊富だ。ユルゲンとスタッフがやっていることを少しずつ吸収して、自分の糧にしていかないとね」(スティーヴン・ジェラード)

自らを「ヘッドライトに照らされたウサギ」と表現するリヴァプールの若き指導者は、「今の役割を楽しんでいるけど、間違ったことばかりしている。彼のサジェスチョンが最善の動き方だ」とドイツ人の先輩指揮官を絶賛。「私は学び、成長しながらプレーヤーとまったく異なる仕事に慣れようとしている。選手と監督はこんなに違うのか!と目を見張ることばかりだね」と、新しい仕事の難しさについて語っています。プレミアリーグで通算504試合に出場した名選手は、ベニテスやロジャースなど今まで一緒に戦ってきた監督に謝りたいそうです。

「マネージャーとコーチを今まで以上にリスペクトしている。現役時代は、自分は世界で最高の監督だと思っていた。 ”そのセッションは何のためにやってるんだ?””なぜそれが必要?”なんてね。今、すべて謝りたい。マネージャーやコーチの仕事がどれだけ難しいかよくわかった。全然違う球技みたいだ」

すっかり謙虚になったジェラードに対して、クロップ監督がいかしてます。ここからは、「スカイスポーツ」にスイッチしましょう。「忙しいけど、おもしろい仕事だ」。ブンデスリーガとプレミアリーグで16年以上指揮を執ってきたマネージャーの言葉は、最初から含蓄があります。

「スティーヴンがコーチングを楽しんでいるのは、本当にうれしいことだね。彼のような(ワールドクラスの)サイズの選手が、このレベル(ユースの監督)から始めることはあまりないから。私は、この仕事は常に学ばなければならないといっている。学ぶ準備さえできていれば、天才である必要はない」「彼がワールドクラスの選手だったことは、大きな支えになる。ゲームのすべてを知り、自分なりのアイデアを持っているからね。でも、次のステップに向けて学ぼうとせず、ワールドクラスだったことが唯一の拠り所なら、それは役に立たないだろう」(ユルゲン・クロップ)

13歳年下の新米マネージャーの試行錯誤について、「ファンタスティックな時間だ。スティーヴンには、私がしょっちゅうできなくなること、すなわちトレーニングをちゃんとやれるんだと実感してもらいたいね」とポジティブに語る名将の存在は、クラブにとってもジェラード本人にとっても絶大でしょう。

「いろいろなスタイルの選手を見てきた。それぞれの強みと弱みを見出し、適性に沿って育てないといけない。マネのように走れ、フィルミーノみたいにやれというのはフェアじゃない。彼らは既にトッププレーヤーになる準備ができているのだからね。選手について毎日学べるなんて、素晴らしい仕事だろう!」

クロップの背中を見ながら、マネージャーとして何をすべきかを考えられるジェラードは、いずれレッズのファーストチームの指揮官としてアンフィールドに姿を見せてくれるでしょう。「スティーヴンズ・ベイブズ」がプレミアリーグを席巻するシーズンの到来を、楽しみに待ちたいと思います。いやー、いいですね、ユルゲン・クロップ!


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体質改善リヴァプール…2017年5月決算は売上500億円超え、利益はクラブレコード!

プレミアリーグ2位を窺うリヴァプールは、経営のほうも順調のようです。昨日、公式サイトで発表された2017年5月31日までの決算報告によると、総売上は前年より6200万ポンド(約91億円)増加し、3億6400万ポンド(約535億円)。サディオ・マネ、ワイナルドゥム、ロリス・カリウス、マティプら6人の新しい選手の獲得とスタジアムなどのインフラ整備に9100万ポンド(約138億円)を費やしたにも関わらず、税引き後利益は3900万ポンド(約57億3000万円)でクラブレコードだそうです。2016年5月度は2100万ポンド(約31億円)の損失を出していたクラブは、マッチデー収入、テレビ放映権料、コマーシャル収入の3本柱で全方位的に売上を伸ばしています。

メインスタンドの拡張によって、54074人収容とキャパシティが上がったアンフィールドがもたらしたマッチデー収入は、前年から1200万ポンド増の7400万ポンド(約109億円)。プレミアリーグ全体のテレビ放映権料の高騰により、レッズには3000万ポンドUPの1億5400万ポンド(226億円)が配分されています。マレーシア航空、コナミ、ジョーイなど12の新しいパートナーと契約を結んだことにより、コマーシャル収入も2000万ポンドほど伸びて1億3600万ポンド(約200億円)。現金による投資は2年間で7800万ポンド(約115億円)となっており、1年前は事業が生み出すキャッシャが3700万ポンド(約54億円)だったクラブは、2017年度は7100万ポンド(約104億円)に改善させています。

「オーナーシップグループ(フェンウェイ・スポーツ・グループ)の全面的なサポートにより、直近7年でクラブの財政状態は大きく改善されました」と語るアンディ・ヒューズCOOは、さらなる投資と顧客開拓を継続すると明言しています。アメリカ、香港、カナダ、オランダにて新たな販売チャネルを設立。クラブの優先事項と謳うソーシャルメディアプラットフォームを拠点としたサポーター開拓によって、500万人の新しいフォロワーを得て5500万人に届きました。2017年1月に発足した「レッド・ネイヴァーズ」は、地元小学生のためのフリーチケット発行、高齢者へのフィットネスプログラム提供、貧困家庭のサポートなど地域に密着した活動を展開しています。

フットボールに対しても投資を拡大させており、昨夏にはサラー、チェンバレン、ロバートソン、ソランケ、1月にはプレミアリーグのDF獲得のレコードとなる7500万ポンドを投じてヴィルジル・ファン・ダイクを獲得しました。夏には5000万ポンドをかけて造ったトレーニンググラウンドがオープン。「われわれの近年の投資プロジェクトはオーナーグループのコミットメントを証明しており、2億ポンド(約294億円)に及ぶものになります。建築家とともに設計し、収容力と経済的な可能性を高めていくアンフィールド・ロードのオプションを継続しますが、これはメインスタンド拡張の流れを汲む包括的なプロセスです」。ヒューズCOOのコメントを読むと、かつては自転車操業だったクラブが長期的な視座に立って改善と拡大を続けているのがわかります。

チャンピオンズリーグに出場しなかったシーズンに、これだけの数字を残したリヴァプールは、デロイトの調査による「フットボール・マネーリーグ」では売上総額で世界9位。クロップ監督の下で欧州最高峰の大会を戦い、コウチーニョを高額移籍金で売却した今シーズンはどこまで売上を伸ばせるでしょうか。「過去7年で利益を出したのは1年だけでした。これは主に、プレイヤーの獲得コストと支払いのタイミングに起因するものです。大事なのは、利益を出してクラブや選手に再投資し、長期的な安定を実現させて財務的ポジションを強化することです」。夏のレッズは、ファン・ダイクを超えるサプライズを起こすかもしれない…そんな予感が漂う素晴らしいレポートでした。


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自己紹介:
プレミアリーグがとりわけ好きなのは間違いありませんが、チャンピオンシップ、セリエA、ブンデスリーガ、リーガエスパニョーラ、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグはもちろん、Jリーグ、なでしこリーグ、高校サッカーまで何でも観ます。今年、特に活躍を期待している選手は、ダヴィド・デ・ヘア、マーカス・ラシュフォード、メスト・エジル、モー・サラー、エリクセン、ムヒタリアン、岡崎慎司、吉田麻也です。

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