結局、監督解任効果はあったのか!? プレミアリーグ「後任監督」春の通信簿

昨日も軽く触れさせていただきましたが、残り4戦がすべてプレミアリーグ上位との対戦で、降格候補ナンバーワンとなっているノリッジが、クリス・ヒュートン監督を解任しました。後任監督はニール・アダムス氏…といってもわからないですよね?私も存じ上げません。何でもユースチームからの内部昇格だそうです。…いやー、やりますか、この解任。カンフル剤というか、気分一新というか、とにかく気分オンリー。サッカーのスタイル、課題解決といった視点はほぼないトップ刷新ですね。

こういった「電撃解任」の類は、ひと昔前まではイタリアの専売特許だったのですが、最近になって、プレミアリーグでも急激に増えてきている印象です。このカルチャーを拡散した犯人は、やはりあの方でしょう。期中に監督を解任して、一流とはいえない人物を内部昇格させた時だけ、チャンピオンズリーグでファイナリストになってしまったあのチームのオーナーです。アブラモヴィッチさん、あなたですよ!どうやら、とんだロシアみやげをイギリスにお持ちいただいたようですね。

とはいってみたものの、もし、期中の監督交代が軒並み大成功していたら、むしろ積極的に代えるべし、という考え方のほうが正しいということになります。今季解任をしたクラブは、プレミアリーグで下から6つのクラブと、トッテナム、クリスタル・パレスなので、成功しているようにはみえませんが、「実際どうだったのか」について、ここであらためて検証してみたいと思います。2月に「テコ入れ6チームの解任判断は是か非か」というテーマで、中間レポートのような記事を書きましたが、今回の「春の通信簿」は「その後の追跡レポート」といったところでしょうか。さっそく、各クラブの状況を見てまいりましょう。

■トッテナム=★★★ 
ヴィラス・ボアス監督/8勝3分け5敗⇒ティム・シャーウッド監督/10勝3分け5敗
◎=前任者時代に干されていたアデバヨルをエースに据え、エリクセン中心のチームにモデルチェンジ。年末年始に4連勝するなど、「チームに人をはめる」のでなく、「人を活かしてチームを創る」手法で成績はUP。ベンタレブ、ケインなど若手の成長も促進させました。
×=DFラインの立て直しはできず、プレミアリーグ上位対決で実績を残せませんでした。負けやドローが込むと、チームづくりにブレが感じられることもあったという印象です。
総合評価=ヴィラス・ボアス監督を性急に代えるより、今後を見据えた適任者選びをするほうが先だったように思えます。ヴィジョンめいたものがあれば、結果的に短期リリーフで獲得するにしても、もっといい監督をアサインできて、プレミアリーグ4位獲得を狙えたのではないでしょうか。

■サンダーランド=★??
ディ・カーニオ監督/0勝1分け4敗⇒グスタボ・ポジェ監督/6勝6分け15敗
◎=キャピタルワンカップ決勝で、マンチェスター・シティを追いつめたサッカーは素晴らしかったと思います。FAカップでもベスト8に勝ち残っており、国内カップ戦ではプレミアリーグで3本の指に入る好業績でした。
×=前回記事でチェックした、ポジェ監督就任後の19試合消化時では6勝5分け8敗とまずまずだったチームは、その後、1分け7敗という信じられない崩壊で最下位転落。原因は、「カップ戦を勝ち上がってしまったがためのゲーム過多、疲労の蓄積」なのではないでしょうか。昨季、FAカップを勝ちながらもプレミアリーグから降格してしまったウィガンも、当時のロベルト・マルティネス監督が日程への不満を口にしていましたし、スウィンジーのラウドルップ監督は、ヨーロッパリーグとの兼ね合いで成績を落としました。トッテナムの戦力ですら、欧州を戦うのはきついのに、下位クラブがミッドウィークのゲームが続くと、てきめんに成績に影響が出るように思います。
総合評価=悪くないサッカーをしていると思いますが、何せプレミアリーグ最下位ですからね…。カップ戦の好成績に敬意を表し、評価の星印に「?」を2つ付けてみましたが、意味がわかりませんね、これでは。すみません。星ひとつ、ふたつだけにするのがしのびなくて。

■クリスタル・パレス=★★★★★
イアン・ホロウェイ監督1勝0分け7敗⇒トニー・ピューリス監督/10勝4分け11敗
◎=3月以降、2点獲られたことが1回もないという、守備重視&シンプル攻撃のサッカー。一時期はエースでリーディングスコアラーだったシャマフを欠く時期すらありながら、この好成績は文句なし、でしょう。さすがピューリス監督、ストークをプレミアリーグに定着させただけのことはあります。
×=強いていえば、スタメンを固定し過ぎるきらいがあるので、チーム内に格差ができ、若手選手の成長が遅くなりそうというくらいでしょうか。
総合評価=既にプレミアリーグ残留は当確印。今季プレミアリーグの監督交代において、唯一の完全成功例でしょう!

■カーディフ=★
マーキー・マッケイ監督/4勝5分け9敗⇒オーレ・グンナー・スールシャール監督/3勝3分け10敗
◎=うーん、いいところが見当たらないですね…。先週、セインツにアウェイで勝ったのが、スールシャール監督唯一のお手柄だったと思います。
×=前任者はサッカー無知のオーナーとケンカ別れでクビになってしまったので、チームの課題がみえず、冬の大量移籍でザハやファビオが入ってきたので、チーム作りはほぼゼロから。マネージャー経験が浅いスールシャール監督には荷が重かったのではないでしょうか。
総合評価=来季、チャンピオンシップに降格してからがノルウェー人監督の手腕の見せどころではないでしょうか。オーナーが続投させてくれれば、ですが。

■WBA=★★★
スティーブ・クラーク監督/3勝6分け7敗⇒ペペ・メル監督/3勝9分け5敗
◎=数字だけだと少しだけ良化にしか見えませんが、チェルシー、リヴァプール、エヴァートン、トッテナム(2回)をドローに持ち込んでおり、ニューカッスルには勝利。上位で完敗したのはマンチェスター・ユナイテッドのみ。チームの地力は上がっていると思われます。簡単に負けない方法は知っているので、あとはどうやって勝ち方を定着させるか、ですね。
×=メル監督就任以来、クリーンシートはわずか2回。守備力もさることながら、チームとしての集中力、組織力をどう上げていくか、ではないでしょうか。
総合評価=来季以降の長期的な成長計画があるのであれば、監督を代えた価値もありますが、どうなんでしょうか。クラーク監督は中長期的視点がある監督だと思っていたので、そこが欠けたとすれば、あまりいい人事とは思えませんが…。

■フラム=★★★
マルティン・ヨル監督/3勝1分け9敗⇒レネ・ミュレンステーン監督/3勝1分け9敗
                ⇒フェリックス・マガト監督/3勝1分け4敗
◎=ヨル監督がチームをグリップできなくなり、ミュレンストーン監督はかき回しただけ、という大ピンチを、マガト監督が拾い切りそうですね。まずはDFラインを固定。走らない・守らない選手は外し、自分たちのやり方をとにかく徹底する、という「立て直しの基本」「弱者の戦い方」で勝てるようになってきました。「軍隊のような規律と練習」はいかがなものかと思いますが、さすが、百戦錬磨の鬼軍曹。
×=1月移籍でいえば、ハイティンハとホルトビーという「プレミアリーグ経験組」はフィットしていますが、クヴィストは今ひとつ。ミトログルは貢献度ほぼゼロという状態。下記クラブのなかでは、圧倒的に戦力豊富なのにもかかわらず、まだ活かしきれているとはいえません。
総合評価=短期間で、もうすぐ勝率5割というところまで戻したのは素晴らしいですね。ただしマガト監督は、短期間での構築ができる一方で、「壊れる時も急激」ですが…。

■スウォンジー=★
ミカエル・ラウドルップ監督/6勝6分け12敗⇒ギャリー・モンク監督/2勝3分け5敗
◎=監督交代以降、勝った相手がノリッジとカーディフだけではほめようがないですね…。「今振り返れば、残留できたのはアーセナルに引き分けたのが大きかったですね!」と、シーズン終了後にいえていればいいのではないか、と。
×=「選手兼任監督」という驚きのチョイス。モンクさんには資質はあるのでしょうが、これで勝てるなら、プロの監督は要りません。将来の見通しなく、「やばいやばい、何か変えないとプレミアリーグに残れなくなる」と、あわてて監督のクビを切った典型です。ラウドルップ氏は、コンセプチュアルなパスサッカーをチームに定着させ、カップ戦優勝まで勝ち取った実力者ですから、もう少し我慢すれば、立て直せたのではないかと思います。
総合評価=「フロントの失策」という観点ではナンバーワン級でしょう。私はスウォンジーが降格するとみてますが、後はぎりぎりで残れるかどうか、だけですね。ポゼッションサッカーの推進は、ここで止まってしまうのでしょうか。来季以降、どんなチームにしていくのかに注目です。

以前の記事で、私は監督交代成功の条件として、
1)うまくいっていない要因が明確
2)監督に問題があり、それを本人が解決できない
3)新監督が、現状&長期的課題を解決できる力がある
4)フロントと新監督に意志疎通があり、連携できる
という要素が必要と書きましたが、今季プレミアリーグの状況をふまえて加えるならば、
「切る前に次を決めておく」「内部昇格に維持はあっても向上なし」
という2つを入れたいですね。アブラモヴィッチさんには笑い飛ばされそうですが、あなたは幸運だっただけですから!…だけ、ということもありませんが、それにしても。(ロマン・アブラモヴィッチ 写真著作者/Mark Freeman)

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