珍しくヴェンゲルさんに同意、武藤移籍についてコメント…絶好調ジョゼ・モウリーニョ、最新名言集!

「私は問題を抱えている。それは、仕事を始めた時からすべてがうまくいっているということだ」。イギリス紙「ガーディアン」のインタビューのしょっぱなから、プレミアリーグ首位を走る指揮官は、いきなりかましてくれました。チャンピオンズリーグではパリ・サンジェルマンに敗れ、昨季のベスト4に及ばなかったものの、プレミアリーグでは開幕から一度もトップの座を譲らず、優勝まで残り8試合。このまま走り切れば、首位をキープした期間が274日となり、これはプレミアリーグ最長記録です。これまでのレコードは1993-94シーズン、サー・アレックス・ファーガソン監督率いるマンチェスター・ユナイテッドの262日。モウリーニョ監督は、これに次ぐ257日という記録を2005-06シーズンのチェルシー第一次政権で残していますが、自らの記録を2週間以上更新するのはほぼ間違いありません。「プレミアリーグの首位にわれわれがいるのは、日常的なこととなっている。今季の優勝まで5勝1分けが必要だ」とまで言い放たれても、誰もケチはつけられません。モウリーニョ監督、絶好調です。

プレミアリーグにおいて、上位クラブの監督が場外バトルでツッコミの応酬を繰り広げているのは、首位クラブの指揮官がいわなくてもいいことをあれこれ口にするからでしょう。ペジェグリーニ監督やヴェンゲル監督をときどき怒らせるモウリーニョ監督の挑発に、「また余計なことを…」とハラハラさせられることも多いのですが、この方の強引さはどことなくお茶目で、私はどうも憎めません。いちばんエキサイトするのは、以前に胸を突き飛ばされ、上から見下ろす迫力に若干ビビらされたヴェンゲル監督との舌戦ですが、このたびは珍しくロンドンのライバルに同意するコメントを寄せていました。「バロンドールは不要である」というのが、彼らの共通の見解です。

イギリス紙「デイリー・スター」によると、サッカーの本質はチームプレーにあるというのがモウリーニョ監督の主張です。「ヴェンゲルのバロンドールに対する意見は非常に興味深い。彼の主張は正しいと思う。サッカーはチームのスポーツだが、バロンドールは個人にフォーカスしており、このスポーツのコンセプトを失わせてしまっている。例えば、あなたがある試合で11km走ったとしよう。そして私が9kmだったとする。このとき、あなたの方が私より試合に貢献したといえるのだろうか? 私はそうは思わない。11kmより有効な9kmもあるはず。ところがバロンドールは、表面的な11kmという数字のみを評価してしまっている」。なるほど。一理ありますね。

ゴールという白黒明解な指標が、ナイスタックルやビッグセーブといった主観が伴う評価ポイントよりも比重が高くなりすぎてしまっており、ノイアーやセルヒオ・ラモスらが何年も割を食っているというのは私も気になるところです。サッカーの魅力を伝え、いい選手の存在とプレイの魅力を世に知らしめる個人表彰があるのはいいことだと思いつつ、GK、DF、MF、FWなどポジション別に選出するなど、そのありようについては再考の余地があるでしょう。もとい、ここで重要なのは、「ヴェンゲル監督に珍しく同意(するほど機嫌がいい!?)」という事実。モウリーニョ監督、絶好調です。

冒頭に紹介した「ガーディアン」のインタビューではいいたい放題です。「試合に対するヨミ、準備のノウハウ、練習のスタイル…これらはますます進化している。しかし、ひとつだけ変えられないことがある。メディアに対して私は偽善者になれないんだ」(筆者意訳:これからもいいたいこというから、よろしくね
「以前は16歳の少年たちを指導していたが、現在は世界最高の選手たちのコーチだ。そのなかでいちばん大事なのは、技術的なことではなく人との関係を構築すること。個々の関係に加えてチーム内での共感を築くことだと考えている」(筆者意訳:人間関係を築くのはチーム内だけだけどね
「私には、ひとりになる時間が必要だ。現在52歳で監督としては若い方なので、おそらくこの先20年は続けることになる。ところが、既に私は『老かいなキツネ』と呼ばれるかもしれない。目新しいことが、何も起こらないかのように。しかし、そんなことはない。私には問題を予測し、熟考する時間が必要なんだ」(筆者意訳:みなさんは、若いのに経験豊富というけど、まったくそのとおりだね。すべてがうまくいくと、ゆっくり考える時間がなくなるんだよね。)

在籍したすべてのリーグで優勝をなし遂げ、欧州のトップレベルに君臨するモウリーニョ監督の言葉には重みがあります。…すみません。とってつけたような表現になってしまいました。意訳などと遊ばせていただきましたが、モウリーニョさんの自信満々な態度には、ときどき「天然か!?」「永遠の少年か!?」とツッコミを入れたくなります。最後に昨日、名将が日本代表FW武藤嘉紀の移籍について語っていたので、そちらの言葉を紹介してこの稿を締めたいと思います。こちらもイギリス紙「ガーディアン」です。

「私は移籍交渉のことは考えない。武藤は少しだけ知っているが、私がFC東京の選手について考えるのがいいこととは思わない。FC東京の監督が、私の選手について語ったら嫌だろうね。現代サッカーはひとつの産業であり、ビジネス面も重要なので、われわれは常に経営についても考える必要がある。とりわけチェルシーのようにファイナンシャル・フェアプレーのルールを守っていきたいと思っているクラブにとっては重要だ。一方で、われわれはサッカークラブであり、タイトルを獲得したい。いいプレーヤーと信じられなければ、選手を買うことはない。これはまぎれもない事実だ」

ええと、「武藤については語らないけど、経営は大事だといっているのだからそこらへんは察してよ。とはいえ、いい選手だと思わなければさすがに獲らないけどね」という意訳で合ってますか?監督。ところで、「ファイナンシャル・フェアプレーのルールを守っていきたいと思っていないクラブ」なんてあるのですか?私は、プレミアリーグのすべてのクラブが守る気満々だと思ってましたが…。どうもひとこと多いですね。引っかかります。ともあれモウリーニョ監督、絶好調です。


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