リヴァプール戦の惨敗から2日後…3年前と同じ日、ジョゼ・モウリーニョ解任。

今季プレミアリーグで最多となる36本のシュートを浴びせられ、リヴァプールに惨敗した翌日、「BBC」のチーフフットボールライターとして活躍するフィル・マクナルティ氏は、いつになく感情的なトーンでマンチェスター・ユナイテッドの指揮官について語っていました。「重大な意味を持つ試合だった」「モウリーニョの終わりの始まりに感じられる」。記事が配信された頃、舞台裏では敏腕ライターの想像以上に事態は深刻になっていたようです。2018年12月18日、クロップ監督にレベルの差を見せつけられた2日後、クラブは短い声明を発表しました。「ジョゼのマンチェスター・ユナイテッドにおけるこれまでの尽力に感謝するとともに、彼の今後の成功を祈っている」。3年前、4勝3分9敗のプレミアリーグ16位という極度の不振に陥ったチェルシーで指揮官の辞任が発表されたのも、奇しくも同じ12月18日でした。

それを見た瞬間の感情は、驚きでも悲しみでもなく、安堵でした。「マネージャーと選手の間に明らかな不和があったように見えた。行動すべき時だと感じた」。3年前のあの日、チェルシーのテクニカルディレクターだったマイケル・エメナロ氏が語った言葉を思い出しました。マンチェスター・ユナイテッドの経営ボードも、同様の判断を下したのでしょう。これで選手たちが持てる力を発揮できるようになる…11月11日のマンチェスターダービーに完敗してから、プレミアリーグもチャンピオンズリーグも最下位にしか勝っていないチームを観ながら疲労を蓄積させていたのだと自覚しました。首位との決戦のキックオフに、これまで最も多くのシュートを放っていたポール・ポグバと、最も多くのゴールを決めていたアントニー・マルシアルがいないというのは尋常な状態ではありません。フットボールのクオリティもさることながら、何よりもつらかったのは、選手のモチベ―ションの低さが伝わってくることでした。

同じ3年め、クリスマスの1週間前。モウリーニョ監督は、チェルシーで犯した失敗を見事にトレースしてしまいました。当時と違うのは、前年のプレミアリーグ優勝監督ではなかったことでした。就任2年めに必ずリーグを制覇するという神話は、ペップ・グアルディオラによって過去の出来事にされていました。ストレスが充満した夏。モウリーニョ監督の最大のウイークポイントは、勝てなくなると感情をコントロールできなくなることだと思います。終わりの始まりは、ズラタン・イブラヒモヴィッチの退団だったのではないでしょうか。若いメンバーとの間に入ってくれる理解者の存在は、選手たちを追い込むことによって120%の力を引き出そうとする指揮官には不可欠でした。今までのチームに常にひとりはいた頼れるベテランはおらず、ともに戦ってきたルイ・ファリアを失い、大型補強もままならなかった孤独な開幕。ネガティブなカードがすべて揃ってしまった今季、この結末は必然だったのかもしれません。

「彼は時代から取り残されたのか?」「過去の人といい切ってしまうのはフェアなのか?」「もはやビッグスターを扱えないのではないか?」「これからもエリートレベルで働けるのか?」。マクナルティ氏が「BBC」に寄稿した最新記事「Jose Mourinho sacked: Is former Man Utd boss finished at top level?(ジョゼ・モウリーニョ解任:マンチェスター・ユナイテッドの元指揮官はトップレベルで終われるのか?)」には、厳しい問いかけが並んでいます。これらに対する的確な答えは、誰にも用意できないでしょう。フットボールは、過去の素晴らしいチームが持っていたエッセンスを取り入れながら進化を続けています。近年はオールドファッションという批判もあったジョゼ・モウリーニョが、再び時代の先頭に躍り出る可能性を否定することはできません。

ただし、これだけはいえるのではないでしょうか。「彼は変わらなければならない」。2003-04シーズンに、モウリーニョ監督とともにポルトでビッグイヤーを獲得した南アフリカ人ストライカー、ベニ・マッカーシーは、「モウリーニョは今も世界で最高の監督のひとりであり、一夜にして悪いマネージャーになったわけではない」と主張しながら、こんなこともいっています。

アザールやポグバに靴下を脱げなどと命じてはならない。彼らはチームを前進させるためにエネルギーを使おうとしているのだから。他の選手には真似できないマジックのようなシーンを生み出すために、持てるスキルを活かそうとしているんだ」
「モウリーニョは、ノーマルといわれる選手たちと同じようにハードワークしろと彼らに求めている。スペシャルで才能のある選手にハードワークをさせたいなら、同時に彼らならではの例外や自由も認めてあげないと。彼のスタイルに現代的なコーチングを取り入れたほうがいいね」

その言葉に触れたとき、アンフィールドのピッチを縦横無尽に走り回るサラー、フィルミーノ、マネの姿が脳裏に蘇ってきました。そのとき感じた、胸が締めつけられるほどの強烈なうらやましさとともに。近い将来、自信とプライドが迸るマンチェスター・ユナイテッドに、もう一度出会えると信じています。今はただ、ひとつの時代にピリオドが打たれたとしかいえないけれど。


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無題

ついに解任ですか、ファーガソンとヴェンゲルとモウリーニョがいないプレミアリーグ…正直、寂しいものです。
お疲れ様でした。
  • プレミアリーグ大好き!
  • 2018/12/19(Wed)06:59:50
  • 編集

無題

更新ご苦労様です。
CL戦の結果次第かなと思ってましたが、クリスマス前に解任ですか。メンバーとの不和やマンチェスターダービーとレッズ戦の敗戦と、、、今シーズンは良いところがなかったですね。モウ自身もさる事ながら、フロントにも責任があると思うんですよね、、、。
  • Macki
  • 2018/12/19(Wed)07:50:07
  • 編集

無題

サポーター、プレーヤー、クラブ、そしてモウリーニョにとって残念な状況が続いていたのでこの結論は仕方がないと思います。
確かに先日のゲームはあらゆる意味で象徴的でした。
  • ペップの街
  • 2018/12/19(Wed)09:04:47
  • 編集

無題

モウリーニョほどのマネージャーなら二度同じ間違いは犯さない気もしたんですが、最後までダメなアプローチを変えなかったのはやはり過去の成功にすがっていたんでしょうか。
まあモウリーニョらしいといえばそうなのかもですが…


  • プレミアリーグ大好き!
  • 2018/12/19(Wed)12:14:07
  • 編集

無題

更新ありがとうございます。
苦くて味わい深いですね…
  • プレミアリーグ大好き!
  • 2018/12/19(Wed)12:14:52
  • 編集

無題

彼の気性は、良いときは選手たちを奮い立たせ。
本来の力以上のものを発揮させる。だけど悪いときは
過度な衝突を生んでしまい、チームの士気が下がり、事態が
ますます悪化する。主様が言うように、クッションが、あるいは
彼を不快にさせようと「言える」人が居なかったのでしょう。
創造と破壊、破壊の創造を繰り返していますが、
きっと彼は変わらない。それがモウリーニョだと思います。
  • ミハル
  • 2018/12/19(Wed)12:22:59
  • 編集

無題

予想はしていましたが悲しいものですね…。
まあマドリー・チェルシーに続いて同じ過ちを繰り返しとなればさすがに厳しいかな。アップデートされない戦術、に内側に向くようになってしまった敵対心、と正直見飽きた感もあるので少し休んでNEWモウリーニョになってからサッカー界に戻ってきて欲しいですね…。
とチェルシー解任後にも思った気はするが…。
  • パチ
  • 2018/12/19(Wed)13:27:55
  • 編集

無題

毎日、楽しい時間をありがとうございます。
と言っても、今回は楽しい内容ではないですが…

グーナーですが、最近のMUは「対岸の火事」とは思えないので、複雑な心境です。

モウさんは違う。と思っていましたが、残念ながら、今のままでは「過去の人」と言われても仕方がない気がしています。

ポルト時代からの数々の偉業。
ヴェンゲルさんの数々の偉業。

どちらも名監督として歴史に名を刻んだものだと思っていますが、最近のMUは…

グーナーという性質上、モウさんを好きにはなれないのですが、
この退団は寂しさを感じるニュースです。

ヴェンゲルさんは年齢的にありますが、モウさんはまだまだ若いですから、ここから復活して欲しいです。
いつかは終わりは来るんでしょうが、ここで終わって欲しくない。

そんな気持ちになりました。

さてさて、MUの後任は誰になるやら?
偉大なるヘアドライヤーの後にその上を行く偉業を残すのは大変でしょうし、未だに、ファーガソンさんの名前が出てしまう事自体が異常ですが、ファーガソンさんの名前が上がらずに、それこそ、「ファーガソン時代が過去のものになる日」が1日でも早く訪れる日を祈っております。
  • にし
  • 2018/12/19(Wed)18:42:32
  • 編集

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プレミアリーグがとりわけ好きなのは間違いありませんが、チャンピオンシップ、セリエA、ブンデスリーガ、リーガエスパニョーラ、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグはもちろん、Jリーグ、なでしこリーグ、高校サッカーまで何でも観ます。今季のプレミアリーグで、特に活躍を期待している選手は、ダヴィド・デ・ヘア、マーカス・ラシュフォード、メスト・エジル、モー・サラー、エリクセン、ムヒタリアン、岡崎慎司、吉田麻也です。

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