代表選手は軒並み不振、若手不在のイングランド人ストライカー…ワールドカップは大丈夫!?

ダニエル・スタリッジは先発が4試合しかなくプレミアリーグノーゴール、ウェイン・ルーニーは開幕戦で幸運なゴールを決めた後、完全に沈黙してレギュラーから外れました。ジェイミー・ヴァーディに昨季の切れ味はなく、プレミアリーグ11試合でわずか2ゴール。ようやく負傷が癒えたハリー・ケインもまた、PK以外では2つしか決めていません。プレミアリーグ2016-17シーズンにおいて、最も多くのゴールを挙げているイングランド人ストライカーは、最下位サンダーランドでひとり気を吐く34歳のジャーメイン・デフォー。6ゴールのベテランの後に、すべてヘディングで5ゴールのマイケル・アントニオと、セインツのスタイルにようやくフィットしたチャーリー・オースティンが続いています。

プレミアリーグでレギュラーを張る自国のストライカーは、ハリー・ケイン、チャーリー・オースティン、ジェイミー・ヴァーディ、カラム・ウィルソン、ジャーメイン・デフォーのみ。昨季はハリー・ケインとヴァーディが20ゴール超えを果たしましたが、2016-17シーズンはそこまでの選手は出てこない可能性が高そうです。気になるのはゴール数ばかりではありません。今季プレミアリーグのシュート数ランキングを見ると、TOP10に入っているイングランド人選手はマイケル・アントニオ、テオ・ウォルコット、アンドレス・タウンゼントとサイドの選手ばかり。20位まで枠を広げると、ようやくデフォーとチャーリー・オースティンの名前があります。イングランドの選手たちは、ゴールする以前に出場機会を確保するのに苦労しており、ポジションをつかんでいる選手も積極的にシュートを打っているとはいえません。

ポルトガルで開催されたユーロ2004でウェイン・ルーニーが4ゴールを挙げて以来、ワールドカップとユーロにおいて1大会で2ゴール以上を決めたイングランド人選手は、2006年のドイツで活躍したスティーブン・ジェラードのみ。世界のトップクラスが直接戦う大会でネットを揺らした経験がある20代のストライカーは、キャロル、スタリッジ、ウェルベックと数えるほどで、ルーニー以降の選手たちには大舞台での成功体験がありません。今シーズン、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグで欧州のクラブと緊張感の高いゲームを戦っている若い選手は、ハリー・ケインとチャーリー・オースティンだけです。ラシュフォードはサイドを定位置としており、レドモンドはセカンドストライカーといったほうがしっくりくるでしょう。この状況が続けば、2018年にロシアで行われるワールドカップまでに、最前線でいい経験を積めそうな選手は2~3人に限られそうです。

近年、イングランド代表OBが「若い選手はハングリーになれ。海外に出ていくぐらいの選手がいないと…」としきりにいうようになり、2年前の本ブログでも、ヴァンサン・コンパニが「イングランドの選手たちも、もっと他国で経験を積むという道を考えるべき」とコメントしたことを取り上げています。ワールドクラスの選手が揃い、サラリーもいいプレミアリーグがあるのに、わざわざ海外に活躍の場を求める動機がないという声もあるでしょう。しかし、今の状況が続けば、イングランドから素晴らしいストライカーが出てこなくなるのではないかと危惧しています。国内でくすぶっている選手は、欧州の大会の出場権を持っている中堅国のトップクラブをめざすという道を考えてもいいのではないか、と。

現実的なルートは、こんなところでしょうか。18歳~21歳で海外進出を決断し、フランスやオランダの中堅クラブで修業して、頭角を表したらその国のトップクラブへ。CLやELの経験を積み、海外にいながらイングランド代表に選ばれる…。「プレミアリーグでそこそこ注目されて、移籍金が高騰する前に脱出」「ホームグロウンを考え、控え選手として声をかけてくるプレミアリーグのクラブに簡単に戻らない。母国への凱旋は一流になってから」といったあたりがポイントです。年齢的には少々上ですが、「エンゴロ・カンテルート」とでもいいましょうか。安い移籍金でレスターに飛び込み、活躍を評価されてチェルシー移籍とフランス代表を勝ち取ったカンテのイングランド版のような選手が増えてくれば、サッカーの母国から、再びリネカー、オーウェン、ルーニーが出てくる可能性が上がるのではないかと思います。

私は、2人の選手に注目しています。あくまでもチェルシーからのレンタルではありますが、フィテッセで12試合5ゴールと活躍している21歳のルイス・ベイカー。そしてもうひとりは、マンチェスター・ユナイテッドでサイドアタッカーとして経験を積んでいる19歳のマーカス・ラシュフォードです。前者は、オランダで開花してフェイエノールトやアヤックスに呼ばれ、そこから代表に選ばれるといういい前例になってくれれば。後者は、早いうちにストライカーとしてルーニーの後継者争いに加わってほしいと願っています。他国の代表の話は、その国のみなさんで議論すべしなのは重々承知ながら、イングランドから若いストライカーが出てこない状況は、将来のプレミアリーグをつまらなくするのではないかという懸念があるのです。海外修業から戻ってきたイングランド人のスターがリーグを盛り上げるというのも、地元サポーターにとってはうれしいことでしょう。「トッテナムとセインツ以外から、イングランド代表の若手がなかなか出てこない」現状はいかがなものか、と…。


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チェルシーからブリストルに貸し出されているアブラハムも楽しみな若手イングランド人FWの1人ですね

各国の代表やスター選手が多く自国の若手が中々出場機会を得難い状況を考えると、スコットランド人ですが今夏にフォレストからライプツィヒへ移籍したバークのように、チャンプスでコンスタントに試合に出続け活躍して、そのままの勢いで他国トップリーグの中堅や昇格組のクラブへ行くというのは良いモデルケースになり得るのではないでしょうか
もちろん、そこで結果を残し鳴り物入りでプレミアへ参戦することがベストです
  • ホタ
  • 2016/11/13(Sun)13:50:33
  • 編集

コメントありがとうございます。

ホタさん>
そうですね。スタジアムの雰囲気、ワールドクラスの選手の参入など、若い選手から見てもプレミアリーグが魅力的なのはわかるのですが、出場機会を増やすことにこだわったほうがよさそうな選手が散見されます。

  • makoto
  • 2016/11/15(Tue)13:31:24
  • 編集

あなたは?番め



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プレミアリーグがとりわけ好きなのは間違いありませんが、セリエA、ブンデスリーガ、リーガエスパニョーラはもちろん、Jリーグ、なでしこリーグ、高校サッカーまで、サッカーなら何でも観ます。今年、特に活躍を期待している選手はウェイン・ルーニー、ダヴィド・デ・ヘア、大前元紀、香川真司、吉田麻也、本田圭祐、楢本光、岩渕真奈、田中陽子です。

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