プレミアリーグ2016-17前半戦総括~(2)ペップ&ヴェンゲル、12月の苦闘

「プレミアリーグ2016-17前半戦総括~(1)多彩になった戦略・戦術」より続きます。チェルシーがプレミアリーグ首位を快走し、リヴァプールがその後ろを追い、マンチェスター・ユナイテッドが尻上がりに調子を上げてきた一方で、ペップのマンチェスター・シティとヴェンゲル監督のアーセナルは、12月に失速しました。激しいプレスから直線的にゴールに迫る速攻で先制し、後半はカウンターをうまく使って追加点を挙げるという戦術がはまり、プレミアリーグ開幕から6連勝と快調だったペップのチームは、2度の足踏みで前半戦を5位で折り返しています。

1度めは9月末、チャンピオンズリーグでセルティックに引き分け、プレミアリーグでトッテナムに初黒星を喫した時期です。CLではさらにバルセロナに4-0で惨敗し、プレミアリーグでエヴァートンとサウサンプトン相手にドロー。EFLカップのマンチェスターダービーではモウリーニョ監督にリベンジを果たされ、6試合連続勝利なしと苦しみました。2度めは12月。ホームのチェルシー戦で1-3と敗れ、アグエロとフェルナンジーニョが出場停止で年末まで出場できなくなると、レスター戦では眠っていたジェイミー・ヴァーディにハットトリックを許してプレミアリーグ初の連敗を喫し、リヴァプール戦もいいところなく1-0と沈黙。1度つまずくとショックを引きずるかのように内容が悪くなるのは、キャプテンシーがあるコンパニの不在の影響もあるでしょう。そのほか、考えられる要因は、「新戦力の停滞」「キーマンの離脱」「CLによる疲労」です。ペップは選択肢を失い、思い通りのサッカーができなくなっているのだと思われます。

5ヵ月も経ったこの時期に、新戦力が活躍できていないのは、ペップも想定外だったのではないでしょうか。ブラボはキックとハイボール処理でミスが多く、開幕当初はモチベーションが高かったジョン・ストーンズはミス続きで自信喪失気味。レロイ・サネはオプションの域を出ず、まずまずだったノリートは12月以降の7試合中先発2試合と貢献度が落ちています。当てにしていた戦力がうまく使えなくなってきたなかで、フレキシビリティが高いギュンドアンの長期離脱は激痛でした。さらにチェルシー戦では、アグエロが4試合出場停止、フェルナンジーニョも3試合というペナルティを喰らい、その後のマン・シティは1度も快勝がありません。ワトフォード戦は、サバレタのゴールで先制しながら終盤に2度の決定機を与えてあわや同点というところまで追い詰められ、最下位ハル・シティとのゲームは70分までゴールを奪えず、PKと速攻2発で何とか3-0。逆転勝利を飾ったアーセナル戦だけが、内容的に納得感のある試合でした。

コラロフにも頼らなければいけないCBは不安定で、的確なポジションを取れるフェルナンジーニョを欠くと中盤はスムーズに流れず、激しいプレスからの怒涛の攻撃が仕掛けられません。ヤヤ・トゥレからはペップサッカーに適応したいという意志を感じますが、全盛期の馬車馬のようなドリブルやスーパーショットは期待できません。この冬は、来季以降を見据えた補強で層を厚くしたいところです。まずはCB、デルフとヤヤ・トゥレを夏までとするならセントラルMFも獲ったほうがいいでしょう。直近の停滞ぶりを見るにつけ、初年度はチャンピオンズリーグ出場権確保が命題で、ペップらしさを堪能するのは次のシーズンからと割り切らなければならないのかもしれません。

15節まではわずか1敗で、首位チェルシーと3差という好ポジションにつけていたアーセナルは、エヴァートンとマンチェスター・シティに連敗して優勝争いから遠ざかりました。2つの逆転負けのトリガーは、プレミアリーグでは未だ負けたことがないムスタフィの離脱。ガブリエウとコシールニーの連携のまずさから同点にされてしまい、エジルにひと頃の元気がない攻撃陣が勝ち越しゴールを奪えないまま、ひっくり返されてしまいました。

唯一「4バック+2センター」をキープしているヴェンゲル監督に対して、頑なすぎると批判する向きもあるようですが、御大は以前にラムジーとウィルシャーを中央に入れてアルテタをアンカーとする4-1-4-1にトライしていた時期もあり、決して柔軟性がないわけではないと思います。今季はアレクシス・サンチェスを前線に据えるゼロトップを機能させており、劣勢の際にはセントラルを1枚削って前を足すなどオプションを増やそうとする試みもあります。忘れてはならないのは、このチームは中央で輝ける人材がプレミアリーグで最も充実していること。アレクシス・サンチェス、ウェルベック、エジル、ルーカス・ぺレスと、セカンドストライカータイプやプレーメイカーを揃えるチームが、2列めを3枚にしたいのは理解できます。

4-3-3のほうがラムジーが活かせるという声もあるようですが、彼のために布陣をいじって得られる果実はあるでしょうか。8番にはセントラルMFか2列めで機能するようクオリティを上げていただき、他を活かすフォーメーションを敷くほうが全体のクオリティは上がるはずです。効果的なオプションは、2トップ(4-4-2か4-4-1-1)ではないでしょうか。ルーカス・ぺレスとジルー、あるいは…。アレクシス・サンチェスとエジルに、アンリとベルカンプの夢を見ている筆者の思いが入り過ぎているのかもしれませんが。アーセナルが勝ち続けるためには、プランBを確立すること、ジャカやエルネニーにカソルラの穴をきっちり埋めてもらうこと、ジェンキンソンに期待しないなら右SBをひとり獲ることが必要でしょう。

ポチェッティーノ監督の素晴らしさにも触れたかったのですが、かなり長くなりますので、明日「監督通信簿」として書かせていただければと思います。ロナルド・クーマン、エディ・ハウ、トニー・ピューリス…プレミアリーグ2016-17前半戦は、リスペクトしたい監督が目白押しです。


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無題

アーセナル2トップ説は、ユーロを観た後のグーナーみんなで一度議論しました。
「やっぱジルーには相棒が必要だよ!グリーズマンの役割をサンチェスとかに置き換えてさあ」などと話していると、必ず誰かが「え、じゃあエジルどこに置くの?」とツッコミを入れ、みんな沈黙してしまいます。
替えのきかない天才がいると、フォーメーションもなかなか組み替えられないのかなあなどと思います。
何か適切なプランBが見つかるといいのですが。
  • ひろと
  • 2017/01/06(Fri)12:18:23
  • 編集

コメントありがとうございます。

ひろとさん>
私の2トップ案のイチ押しは、「アレクシス・サンチェス+エジル」です。天才に裏を狙っていただこうか、と。
  • makoto
  • 2017/01/06(Fri)14:19:48
  • 編集

無題

マッツァーリさんのワトフォードはもとより、ストークも年末年始のタイトな連戦では3バックを敷くなど、中堅以下も含め確実に戦術の幅、フレキシビリティは豊かになってきているなと感じています。
特にストークはつい2シーズン前まで典型的なイングランドのクラブといった感じでしたが、それが今や柔軟に戦術を使い分けたりパスサッカーを志向するなど、個人的にその変遷がとても面白くて注目しているクラブの1つです。
  • ホタ
  • 2017/01/06(Fri)16:38:37
  • 編集

いつも楽しい記事掲載、ありがとうございます!

サンチェス、エジルのツートップは面白いと思いますね。エジルはドイツ代表でゼロトップストライカーを何度か経験済みですし、今期の二人の連携を観ると、アンリ、ベルカンプになる素養はあると思います。天才を更に覚醒させるにはもってこいのプランだと思います。実際、エジルが後方でプレーするときは、全く輝かないですし。

また、ジルーとルーカス、或いはジルーとウェルベックのツートップは後半、一点必須の場面ではあり得るオプションだと思います。後者は去年のレスター戦の逆転ゲームで実践済みですし!

何れにしても、ヴェンゲルさんにはより柔軟な戦術とターンオーバーを実践して、攻撃の選択肢をもっと増やして欲しいです。まことさんがおっしゃるように今年のプレミアリーグは多彩な戦術をもつ監督が多いので。

コメントありがとうございます。

ホタさん>
マーク・ヒューズさんは、解任になるのではないかとハラハラしたのですが、立て直しましたね。最終ラインさえ落ち着けば、EL出場権を狙えるポテンシャルはあると思います。マッツァーリさんも、ともするとバラバラになりそうなチームをよくまとめています。

ヤンガナ大好き!さん>
まったく同感です。ルーカス・ぺレスがフィットし始めており、ウェルベックも戻ってきたので、これからがヴェンゲルさんの腕の見せどころですね。
  • makoto
  • 2017/01/08(Sun)15:26:03
  • 編集

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プレミアリーグがとりわけ好きなのは間違いありませんが、セリエA、ブンデスリーガ、リーガエスパニョーラはもちろん、Jリーグ、なでしこリーグ、高校サッカーまで、サッカーなら何でも観ます。今年、特に活躍を期待している選手はウェイン・ルーニー、ダヴィド・デ・ヘア、大前元紀、香川真司、吉田麻也、本田圭祐、楢本光、岩渕真奈、田中陽子です。

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