いよいよ初戦!「BBC」が指摘する「ジョゼ・モウリーニョが対処すべき5つの課題」

プレミアリーグ13節、ウェストハムVSトッテナム。ランチタイムキックオフとなったロンドンダービーで、いよいよ「モウリーニョのスパーズ」が始動します。「BBC」のエムリン・ベグレイ記者が「Tottenham's new manager has five early issues to deal with(トッテナムの新しいマネージャーが対処すべき5つの早期の課題)」と題した記事を配信しているのですが、課題のひとつとして「オープニングゲームで、自身の素晴らしい記録をキープせよ」というものがあります。監督としてのキャリアのスタートとなった2000年のベンフィカで、初陣のボアヴィスタ戦を1‐0で落として以来、ジョゼ・モウリーニョは最初の試合で敗れたことがありません

プレミアリーグにおけるレコードをチェックすると、2004年のチェルシーではマンチェスター・ユナイテッドに1‐0。自らを「ハッピー・ワン」と形容した2013年のチェルシーの開幕戦は、ハル・シティに2‐0で快勝しています。マンチェスター・ユナイテッドで指揮を執った2016年は、前季のプレミアリーグ王者レスターとコミュニティーシールドでぶつかり、イブラヒモヴィッチの決勝ゴールで2‐1。マウリシオ・ポチェッティーノが絶大な人気を誇っていたノースロンドンでは、緒戦の結果は今まで以上に重要です。クイックスタートでサポーターを味方にできれば、ホームゲームにおける選手の士気は自ずと高まるでしょう。

ベグレイさんが指摘する他の4つの課題は、いずれも選手の処遇に関するお話です。記事の冒頭で語られている「エリクセンをどうするか、決断しなければならない」というイシューは、スパーズサポーターならずとも気になるところでしょう。プレミアリーグ10試合出場、先発は7試合。1ゴール1アシストという彼らしくない数字は、モチベーションを取り戻せば改善するはずです。モウリーニョ監督は残留を要請するのか、引導を渡すのか。エジルやオスカルを活かした名将は、カカとマタには快適な居場所を用意しませんでした。運動量が豊富なスパーズのプレーメイカーは、好ましいグループに入るのではないでしょうか。彼の復活は、決め切れない試合を一気に減らす最高の処方箋です。

「ハリー・ケインのハッピーをキープする」というミッションも、スパーズの浮沈を決める重要な要素です。彼がゲットした190ゴールのうち、89%に当たる169ゴールがポチェッティーノ監督の下で生まれています。「BBC」のレポートは、「この監督とともに戦えばトロフィーに手が届くと確信させるか、あるいは素晴らしいマンマネジメントで納得感を高めることができれば、ポチェッティーノの後を追うというキャリア選択を封じることができる」と主張しています。タイトルを獲得できるという説得力なら、前任者を上回るモウリーニョ監督は、ネガティブアプローチに走り過ぎなければ成功するのではないでしょうか。

「エリック・ダイアーがキーマンかどうかをジャッジ」「新たなマクトミネイ、あるいはアダンのようなギャンブル」という2つの課題は、重要なポジションをまかせる選手を早期に判断すると言い換えてもいいでしょう。マンチェスター・ユナイテッド時代にエリック・ダイアーを獲りたがっていた新監督は、燻っている現状にどういう評価を下すのでしょうか。カシージャスをベンチに下げてアントニオ・アダンをゴールマウスに据えたり、ポグバのポジションにマクトミネイを抜擢するなどの荒療治があるとすれば、中盤センターとCBだと思われます。

アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンを残すのか、シソコとハリー・ウィンクスのコンビは見直すのか、ファン・フォイスやオリヴァー・スキップ、ライアン・セセニョンの出場機会を増やすというようなサプライズはあるのか。チームの空気を一変させたいなら、前任者を否定する新機軸を打ち出すのは効果的な手法です。私は、ラメラとワニャマが重宝されるのではないかと見ているのですが、いかがでしょうか。12時間後に発表されるスターティングラインナップに注目しましょう。


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輝かしいキャリアは、ポチェッティーノとともに~ハリー・ケインからの最後のメッセージ。

Gaffer. I’ll be forever thankful to you for helping me achieve my dreams. We’ve had some amazing moments in the last 5 and a half years that I will never forget. You were my manager but my friend as well and I thank you for that relationship. Good luck with your next chapter! (監督へ。夢の実現を手伝ってくれたことをずっと感謝し続けるでしょう。 素晴らしい瞬間を一緒に経験できた5年半を忘れません。 あなたは私のマネージャーであるとともに、良き友でもありました。この関係に感謝しています。 次の章に幸あれ!)」

2014年5月、マウリシオ・ポチェッティーノと出会った頃のハリー・ケインは、プレミアリーグ14試合出場3ゴールという凡庸なスタッツしか残していない選手でした。そのシーズンが始まる前に、21歳のバースデーを迎えた原石は、6試合めの途中出場となった10節のアストン・ヴィラ戦で90分に劇的な決勝ゴールをゲットします。次節のストーク戦が、新監督の下で初のスターティングメンバー。前シーズンの最後にレギュラーポジションをつかみかけていたストライカーは、2度めのチャンスを逃しませんでした。11月23日のハル・シティ戦でゴールを決めると、3試合の沈黙の後、14節のスウォンジー戦から怒涛のゴールラッシュがスタートしました。

ニューイヤーズデーのチェルシー戦で2発、2月7日のノースロンドンダービーでも2発、3月21日のレスター戦でハットトリック。プレミアリーグ15試合17ゴールという大ブレイクがロイ・ホジソン監督の目に留まり、3月27日に行われたユーロ2016予選のリトアニア戦で初めてイングランド代表のベンチに入ったハリー・ケインは、71分にルーニーと代わると、80秒後にスターリングのクロスをヘッドで叩き込みました。ポチェッティーノ監督との最初のシーズンは、プレミアリーグ34試合21ゴール、ヨーロッパリーグで9試合7ゴール。スパーズの最前線を自分の持ち場にした10番は、一気にプレミアリーグ屈指の点取り屋と呼ばれるまでに成長を遂げました。

2015‐16シーズンは38試合フル出場で25発を決め、初のプレミアリーグ得点王。2016‐17シーズンは30試合29ゴールで2年連続の得点王に輝き、ライバルのガナーズを22年ぶりに上回る2位フィニッシュの立役者となりました。サラーとの一騎打ちとなった2017‐18シーズンの得点王争いは、2ゴール足りずに2位で終わったものの、自身初の30ゴールの大台を記録しています。昨季は後半戦の負傷が祟り、プレミアリーグ28試合17ゴール。チャンピオンズリーグのノックアウトラウンドは、ドルトムント戦の決勝ゴールのみに留まりましたが、リヴァプールとのファイナルに間に合い、ポチェッティーノ監督と戦う最後の大舞台を走り切りました。

スパーズの指揮官とエースが、マドリードでトロフィーを掲げる姿を観たかった…とはいえません。サラー、フィルミーノ、マネ、ファン・ダイク、アリソンの歓喜も楽しみで、天秤のどちらかに錘を乗せることはできませんでした。しかし、今。ポチェッティーノ監督がノースロンドンから去ると決まり、エースの惜別のメッセージを目にすると、タイトルを獲得して誇らしげにスタンドに手を振る彼らを見ぬまま、ひとつの時代が終わることを残念に思います。

彼らは勝てなかった。ただ、それだけだ。平静を装うように努めながら、こんなことを考えたりします。ジョゼ・モウリーニョとハリー・ケインがタイトルを獲得したとき、ワールドカップ得点王を育て上げたアルゼンチン人指揮官を思い出すのだろうか。答え合わせができるかどうかもわからない問いは、頭の隅に眠らせておくしかありません。「Good luck with your next chapter!」。今週末から、ビッグタイトルを渇望するストライカーと、25回のタイトル獲得を誇る名将の新たな戦いが始まります。


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偉大すぎる前任者、戦術の陳腐化…?「BBC」の記者が指摘するモウリーニョ招聘の懸念。

先の記事で書いたように、私はトッテナムのジョゼ・モウリーニョ新監督に期待しています。選手との確執と不振による解任という残念な終わり方でマンチェスター・ユナイテッドを離れた監督ではありますが、ヨーロッパリーグとEFLカップを制した初年度は、ハッピーなシーズンでした。プレミアリーグ27試合17ゴールのズラタン・イブラヒモヴィッチとユーヴェから復帰したポール・ポグバを主軸に据え、エレーラ、バイリー、バレンシア、ブリントらを適所で起用。2勝6分3敗と苦しんだ秋の停滞と終盤戦の負傷者続出によって、TOP4フィニッシュを逃しましたが、さらなる進化が楽しみなチームでした。完成度が高い選手が多く、背骨がしっかりしているスパーズなら、2019-20シーズンのタイトル獲得は決して高望みではないでしょう。しかし…。

プレミアリーグ制覇3回、チャンピオンズリーグ優勝2回という実績を引っ提げ、ノースロンドンに降臨した指揮官について、現地の論調は必ずしもポジティブではありません。「BBC」で健筆を振るうマクナルティ&ドーソンの「2人のフィル」は、モウリーニョさんのスパーズ監督就任に対して懐疑的な眼を向けています。クラブの現状は、新監督にとってマイナススタートと指摘するのはマクナルティさん。ドーソンさんは、モウリーニョスタイルがオールドファッションであり、モダンなフットボールに勝てないのではないかという懸念を示しています。赤と青の残像が消えない名将は、心強い優勝請負人か、招かれざる闖入者か。まずは、おふたりの見解をダイジェストで紹介しましょう。

「モウリーニョは金がかかる。ダニエル・レヴィと一緒に働けるのか?」。マクナルティさんの最初の指摘に、静かにうなずくプレミアリーグファンは少なくないでしょう。「エド・ウッドワードがマンチェスター・ユナイテッドで行ったように、レヴィがポール・ポグバに8900万ポンド、ロメウ・ルカクに7500万ポンド、あるいはフレッジに5200万ポンドでサインする姿は想像できない」。レヴィとスパーズは2億5000万ポンドの投資を望む人物の期待には沿わず、新しいマネージャーは高価な既製品なしでは機能しないと主張する記者は、「いい結婚にするには、お互いの譲歩が必要。ギブアンドテイクの関係を築かなければならない」と警告しています。

マクナルティさんの2つめの懸念は、スパーズにとってマウリシオ・ポチェッティーノの存在感があまりにも大きかったことです。性急な解任に怒りを表明するサポーターが多く、選手たちは厳しさの裏に深い愛情を湛えていた前任者のクラッシュに戸惑っているようです。ポチェッティーノ戦術とは真逆に見える守備的なフットボールをサポーターは受け入れるのか、勝利至上主義でドライなマネジメントは選手たちの心をつかめるのか。記事は「ポチェッティーノは、彼の大半の時間を費やしてスパーズを統一した。モウリーニョは対立的で分裂的」と比較し、ハリー・ケインの未来や出口を探しているエリクセンに慎重に対応する必要を説いています。

現状を見据えるマクナルティさんに対して、ドーソンさんは新監督の足跡に着目。8つのリーグタイトル、8つの国内カップ優勝、欧州制覇4回などといった輝かしいキャリアに加えて、「プレミアリーグでは1試合あたり2.15ポイントを獲得しており、これを上回るのは2.39のペップと2.16のファーガソンのみ」といった秀逸なスタッツを紹介しています。そのうえでなされた問題提起は、「マンチェスター・ユナイテッド時代に象徴されるマネジメント力の低下」です。記事の解説をなぞると、「彼には以前と同じ力はなく、かつて存在した強力な現実主義のブランドは、ハイプレスと攻撃志向の世界ではもはや効果的ではないと見做されている」というわけです。

傍証として掲げられているのは、2016年から2年半の戦績です。プレミアリーグで93試合の指揮を執ったマンチェスター・ユナイテッドの指揮官は、同時期に勝ち点223だったマン・シティ、202のトッテナム、200のチェルシー、196を挙げたリヴァプールに対して176しか積めていません。とりわけ顕著なのはゴールの少なさで、TOP4で最も少ないチェルシーの182発に対して、31も下回る151発に留まっています。得意の守備もスタッツは微妙で、失点86はマン・シティ、トッテナム、チェルシーより多く、5位リヴァプールと1点差。ドーソンさんは「レヴィ会長は、マンチェスターにいた頃のモウリーニョさんを例外と見ている」と伝えていますが、継続的な進化を求めるうえでは気になる数字です。

望み通りにプレミアリーグに復帰した名将は、心強い優勝請負人か、招かれざる闖入者か。マクナルティさんの締めの言葉は辛口です。「モウリーニョが変化を遂げ、アプローチを近代化し、以前の欠点を認識したうえで、スパーズという新しい環境で栄光を…」。おふたりの説にうなずけるところも多々ありながら、私は信じたいと思います。ジョゼ・モウリーニョはスパーズにタイトルをもたらす、と。5年後も指揮を執っているかといわれれば、口ごもってしまうのですが…。


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新たな情熱をクラブへ。「モウリーニョ×スパーズ」がうまくいくと思われるいくつかの理由。

やはり、そうでしたか。マウリシオ・ポチェッティーノ監督を解任したトッテナムが、後任にジョゼ・モウリーニョを指名しました。チェルシーとマンチェスター・ユナイテッドで選手との確執を報じられ、クリスマス前に任を解かれたポルトガル人指揮官の復活に大いに期待しています。家族とともに暮らせるロンドンのクラブ、ハリー・ケインやソン・フンミン、ルーカス・モウラなどいかにもモウリーニョ好みの主力選手たち…。プレミアリーグ14位に沈むスパーズには、新監督のモチベーションが上がるさまざまな要素が埋め込まれています。チャンピオンズリーグ2回&ヨーロッパリーグ2回(旧UEFAカップ含む)制覇の名将が、トッテナムでうまくいきそうな理由について、思いつくまま挙げてみたいというのが今回の趣向です。

最大のポイントは、「ジョゼ・モウリーニョが前任者に欠けていたものを持っている」ことです。プレミアリーグを3回、セリエAと母国のスーペル・リーガを2回、ラ・リーガ1回と国内リーグの勝ち方を知っている監督と、トロフィーに飢えている選手たちの出会いはベストマッチングといっていいのではないでしょうか。「戦術が違う」と訝しむ向きには、「2016-17シーズンまでの”走るスパーズ”ならいざ知らず、今のチームには堅守を構築できる監督は絶対的にプラス」と切り返しましょう。アグレッシブなプレスが売りのチームではなくなり、プレミアリーグ12試合で17失点を喫しているスパーズにとっては、自前の守備戦術を持ち込むモウリーニョさんは、足りなくなったものを補ってくれる存在なのではないかと思います。

新監督が得意とする4-2-3-1も4-3-3も、スパーズの選手たちにとっては馴染みのある戦い方です。「さまざまなポジションをこなすマルチロールのタレントより、スペシャリストを好む」と明言していたモウリーニョさんは、個々にシンプルなミッションを与えて徹底させていたポチェッティーノ流との相性は悪くないはずです。最前線で体を張れるハリー・ケインは、いかにも「モウリーニョのストライカー」。ソン・フンミン、ラメラ、ルーカス・モウラは、サイドでせわしない上下動を求められるでしょう。

中盤センターの本命はムサ・シソコとエンドンベレですが、アンカーにCBのサポートを求めるモウリーニョスタイルなら、エリック・ダイアーやワニャマの復活もあるかもしれません。4-3-3ならインサイドにエリクセン、デル・アリ、ハリー・ウィンクスらが入る形になりそうですが、ロ・チェルソとエリクセンの力を活かすべく、トップ下を置く布陣を選ぶ可能性もあります。新体制の当初のベストメンバーを選ぶとすれば、ガッサニーガ、セルジュ・オーリエ、アルデルヴァイレルト、フェルトンゲン、ダニー・ローズ、シソコ、ハリー・ウィンクス、デル・アリ、ソン・フンミン、ラメラ、ハリー・ケイン。ポチェッティーノさんの厳しさを知っている選手たちは、勝たせてくれる監督のハードマネジメントにすんなり慣れるのではないでしょうか。

「私は何を約束できるか?情熱、リアルな情熱。自分の仕事への情熱だけでなく、クラブへの情熱。私がすべてのキャリアで築き上げてきた方法を駆使してトライしたい。はっきりしている。クラブを愛する人々に幸せを届けたいんだ」(ジョゼ・モウリーニョ)

スカッドのクオリティに魅力を感じていると語った指揮官は、クラブのインフラをリスペクトするのも忘れませんでした。「美しいスタジアムだけでは謙虚すぎる。世界最高のスタジアムだ」「トレーニング施設も他の追随を許さない。匹敵するのはいくつかのアメリカンフットボールの施設ぐらいだろう」。最初の1年半は、うまくいくのではないでしょうか。2020年の夏にトライするであろうベテランの売却と新たなタレントの導入は、レヴィ会長とモウリーニョ監督が共有できるテーマです。

懸念は、2回めの夏。バイリーとリンデロフを獲得した後、3人めのCB獲得希望に難色を示したマンチェスター・ユナイテッドよりも、締まり屋の会長が仕切るスパーズのほうが早くシャッターが閉まるのは間違いありません。実績のある選手を獲りたがるモウリーニョさんが、タイトルを希求する自らの欲望をコントロールできなくなれば、3度めの悲劇の幕が…いや、まだ見ぬ世界をネガティブに想像するのはやめましょう。今はただ、プレミアリーグ復帰を願い続けた名将の新たなチャレンジに注目しています。


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ポチェッティーノの統治の終焉…現地メディアが「トッテナムが後任探しを始めた」と報道!

マウリシオ・ポチェッティーノ監督の素晴らしいチームづくりによって、トッテナムが6年ぶりにチャンピオンズリーグに戻ってきた3年前。ホワイト・ハート・レーンでモナコとレヴァークーゼンに敗れ、力を出し切れずにグループステージ敗退となったチームを見て、「彼らはもっと上にいけるはず。主力をスペインに持っていかれたなどということなく、若き指揮官が育てたメンバーでCLのノックアウトラウンドを戦う姿を観てみたい」と拳を握りしめたのを思い出します。

デル・アリがプレミアリーグ35試合18ゴールとブレイクを遂げ、ハリー・ケインが30試合29ゴールで2度めの得点王に輝いたシーズン。エースとデル・アリ、エリクセン、アルデルヴァイレルトらは、プレミアリーグのライバルや欧州の強豪クラブに移籍するのではないかと怯えながら、全員残留が決まると、彼らのCLをもう一度観られる喜びをかみしめたのでした。

翌シーズンは、レアル・マドリードとドルトムントをホームで倒して決勝トーナメント進出。ラウンド16のファーストレグでユーヴェに引き分け、ノースロンドンに戻ってきたときは8強にいけるはずと期待したのですが、百戦錬磨のイグアインにやられて敗戦を喫してしまいました。名門クラブを苦しめたスパーズに、私は満足したのですが、指揮官と選手たちはさらなる高みに駆け上がりました。

2018-19シーズン、3年連続のCLチャレンジ。バルサから勝ち点1をもぎ取り、2年連続で年明けのCLを戦ったチームは、ドルトムント、マンチェスター・シティ、アヤックスを次々と下してファイナルに進出しました。マドリードでリヴァプールと対峙したあの夜、既に彼らはピークを越え、下降線に入っていたのでしょう。2月末からのプレミアリーグを、3勝2分7敗という信じられない戦績で終えたチームは、キックオフからわずか2分でサラーにPKを決められ、イーブンで戦う時間を取り戻せないまま、オリギにピリオドを打たれて恍惚の時間を終えました。

欧州制覇の1歩手前まで進んだ選手たちは、バーンアウトしてしまったのでしょうか。2019-20シーズン、3節のホームゲームでニューカッスルに敗れたスパーズは、前季の終盤戦をなぞるように停滞しています。度重なる負傷に苦しんだデル・アリはトップフォームに戻っておらず、プレミアリーグ5試合2ゴールでチャンスメイクは1回のみ。スペイン行きが噂されたエリクセンは、モチベーションをマドリードに置き忘れてきたのか、10戦1ゴール1アシストという彼らしくないスタッツしか残せていません。

アヤックス戦のハットトリックが記憶に新しいルーカス・モウラも、10戦1ゴール1アシストで決定機創出は1回。2列めの選手たちが軒並みスランプに陥ったため、ハリー・ケインは11試合でオンターゲット10本に留まっています。キーラン・トリッピアーを失った右サイドからのクロスは減り、逆サイドは移籍するはずだったダニー・ローズに頼らなければならない状態です。エリック・ダイアーとワニャマに以前の輝きはなく、エンドンベレとロ・チェルソのフィットは今後のテーマ。毎年のように見どころある若手を輩出してきた指揮官は、22歳以下をスタメンに抜擢できずにいます。今までのクオリティをキープできているのは、ムサ・シソコ、ガッサニーガ、CLで好調のソン・フンミンだけではないでしょうか。

Time running out for Mauricio Pochettino's Tottenham reign(マウリシオ・ポチェッティーノの統治の終焉)」。直近のプレミアリーグ5試合で4ゴールしか決められず、1度も勝っていない14位のチームについて、「テレグラフ」はポチェッティーノ監督の後任探しを始めていると報じました。残留争いに巻き込まれたり、選手との溝が修復不可能になるほど壊れなければ、ダニエル・レヴィ会長が違約金を払ってまで指揮官を解任させるとは思えません。ジョゼ・モウリーニョやアッレグリ、ナーゲルスマン、エディ・ハウらに声がかかるとすれば、2020-21シーズン以降の仕事の依頼でしょう。

スパーズの名将は、求心力を失ってしまったのでしょうか。1年前の強いチームには戻れないのでしょうか。プレミアリーグで優勝争いを演じ、ビッグイヤー獲得に迫った濃密な5年間。レヴィとポチェッティーノの蜜月は終わりを告げようとしているようです。彼らの最後のCLを、ノースロンドンにおけるラストシーズンとなるであろうエリクセンやアルデルヴァイレルトのパフォーマンスを、しっかり見届けようと思います。


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ものづくり
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自己紹介:
プレミアリーグがとりわけ好きなのは間違いありませんが、チャンピオンシップ、セリエA、ブンデスリーガ、リーガエスパニョーラ、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグはもちろん、Jリーグ、なでしこリーグ、高校サッカーまで何でも観ます。今季のプレミアリーグで、特に活躍を期待している選手は、ダヴィド・デ・ヘア、マーカス・ラシュフォード、メスト・エジル、モー・サラー、エリクセン、ムヒタリアン、岡崎慎司、吉田麻也です。

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